「マリノス強かった」川崎の選手たちが口を揃えた横浜の強力3トップの脅威ともう一人のキーマンの存在

2019年11月30日 本田健介(サッカーダイジェスト)

川崎はホーム最終戦で完敗

エリキに2ゴールを許すなど川崎は横浜に1-4で完敗。今季のホーム最終戦を飾れなかった。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

[J1 33節]川崎1-4横浜/11月30日/等々力

「マリノスが強かったと思います」とFW小林悠が語れば、「マリノス強かったなという印象です。向こうのやりたいような流れにしてしまった」とCB谷口彰悟も振り返る。

 J1の33節、今季のリーグ戦のホーム最終戦として横浜と対戦した川崎は1-4で完敗。前節、リーグ3連覇の可能性が消滅した4位の川崎は、3位以内に与えられる来季のACL出場権獲得へ勝ちたかった試合だったが、首位に立つ横浜の攻撃的なサッカーの前に屈した。

 苦しめられたのは左からマテウス、エリキ、仲川輝人で組む相手の快足3トップだ。序盤からサイドの守備で後手を踏むと、8分にはマテウスにスピードで右サイドを突破され、そのクロスを逆サイドの仲川に決められるなど、この3トップに翻弄され4点を失った。

 谷口とCBを組んだ山村和也は「スピードがある3枚なので、そこで後手を踏んでしまったというのはありました。注意していた部分でやられたのは反省です」と話し、谷口も「高さはないですが、スピードがあって、どんどん仕掛けてきました。特にマテウス選手は背負っても起点になっていましたし、対応するには自分たちがレベルを上げなくてはいけないと感じました」と反省する。

 本来、横浜のSBは中央よりにポジションを取って"偽のSB"としてポゼッションに参加することが多いため、川崎はその対応策を考えていたという。だが、両SBのティーラトンと松原健はこの日は通常より、サイドに張り、ウイングと絡んで攻撃を構築。そのため川崎の守備ブロックは距離を広げられ、プレスがかかりにくい状況に陥り、相手のサイド攻撃の対応に遅れを取ったようだ。現に山村は「ウイングのところでSBが上がってきてこちらが不利な状況を作らせすぎたかなと思います」と悔しがる。
 さらに、川崎の選手たちは相手の3トップとともに、もうひとり、マークに手こずった選手がいたと述懐する。それが横浜のトップ下を担ったマルコス・ジュニオールだ。

 柔軟にポジションを取ったこのブラジル人アタッカーをCBが捕まえるのか、ボランチが潰すのか、難しい対応を強いられたという。

「自由にポジショニングをしてきたので、CBが掴みにいこうとすると後ろに下がったり、ボランチに任せると距離が遠かったり、上手く掴ませてくれなかった」との谷口の言葉からも頭を悩ませていたことが窺える。

 川崎としてはホーム最終戦を勝利で飾り、今季最終節のアウェーの札幌戦につなぎたかったが、横浜の強さを際立たせる結果になってしまった。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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