1月1日の移籍市場再開を前に! 欧州メガクラブの「強化部門」実力診断|チェルシー編

2014年12月28日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

モウリーニョの存在自体が選手の決断を後押しするケースも。

チェルシーの強化には、2人のエージェントが影響を及ぼしている。 (C) Getty Images

 欧州の移籍マーケットが1月1日に再オープンする。
 
 補強の構想を描き、ターゲットを絞り込み、交渉を進め、移籍オペレーションをまとめ上げるのが、各クラブの「強化部門」だ。いわばフットボールクラブの命運を握る重要なその強化部門、では、どのクラブのそれが優れているのか?
 
 当サイトの連載コラムでもお馴染み、移籍市場を専門にカバーする記者で、各クラブの事情に通じるジャンルカ・ディ・マルツィオ記者が、メガクラブの「強化部門」を診断した!
 
※ワールドサッカーダイジェスト2014.12.18号より
 
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 ジョルジ・メンデスという特定のエージェントに依存しすぎている状況は、強みであると同時に弱点にもなりかねない。というのも、メンデスは友人も多いが敵も少なくないからだ。
 
 チェルシーの強化に影響を及ぼしているエージェントはもうひとりいる。オーナーのアブラモビッチにきわめて近いヴラド・レミッチというセルビア人だ。これまでにケズマン、ロッベン、イバノビッチの獲得ディールに関わっており、当時のスポーツディレクターだったフランク・アルネセン(現ハンブルク)とは今も密接な関係にある。
 
 メンデスとレミッチは敵対的な関係にあり、一方がチェルシーに選手を連れてこようとすると、もう一方がその情報をマスコミにリークして破談にさせようとするなど、足の引っ張り合いを繰り返している。
 
 実質的な強化責任者はモウリーニョ監督だ。この指揮官の下でプレーし、持てる力を最大限に引き出してもらえるという魅力は、これから頂点を目指す若手・中堅の選手にとって大きな説得力となっている。
 
 セスクやフィリペの例を見るまでもなく、モウリーニョという存在自体が選手の決断を後押しするケースは少なくない。
 
【判定】(優秀)
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
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