【岩本輝雄】本来の姿を取り戻したベルマーレ。残留は十分に達成可能なミッションだ

2019年11月26日 岩本輝雄

チーム全体で球際も激しく戦えていた

ベルマーレの守備陣は、FC東京の強力2トップを上手く抑え込めていた。状況をよく見て、数的優位を作る守り方がハマっていた。(C)SOCCER DIGEST

[J1第32節]FC東京1-1湘南/11月12日/味スタ

 多くの人が、FC東京の勝利を予想していたと思う。アウェー8連戦を終えて、久々のホームゲーム。相手は、6連敗中で16位に沈むベルマーレだ。だけど、結果は1-1のドロー決着。先制したのはベルマーレで、FC東京が終了間際に追いつくという内容だった。

 ベルマーレからすれば、悔しい結果だったかもしれないけど、それでも価値ある勝点1を手にして、失いかけていた自信を取り戻したと思う。

 ベルマーレはやや高めにラインを設定して、及び腰にならず、アグレッシブに戦えていた。とりわけ、FC東京のオリヴェイラと永井の強力2トップへの対応が良かった。

 スピードのある彼らに対して、"ヨーイドン"で守っていたら、勝ち目はない。ラインは低くなかったけど、オリヴェイラか永井にボールが渡りそうになると、3バックはすっと後ろに引いて、常に数的優位を作るようにしていた。ひとりがかわされても、すぐカバーリングできるようにスタンバイ。この守り方がハマっていたよね。
 
 警戒していた永井が68分に途中交代したのも、ベルマーレにとっては少なからず助かった部分はあるんじゃないかな。70分すぎから両チームとも間延びするシーンが増えたけど、そういうシチュエーションこそ、永井のスピードが活きるし、脅威になる。その永井がベンチに下がったことで、守りやすかったかもしれない。

 いずれにしても、ベルマーレはチーム全体で球際も激しく戦えていたし、状態はかなり良くなってきていると思う。前節のセレッソ戦は0-1で敗れているけど、持ち前のプレッシングはかなり機能していただけに、FC東京戦でもその流れを継続できていた。

 連敗中も精力的に戦っていたはずだけど、思うように結果を出せず、焦りがあったのか、出足が一歩遅かったりして、それでプレスがひとつずつズレて、攻め込まれてしまう。そのあたりを上手く整理できてきたよね。

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