【横浜】攻撃的だからこその強み。攻めれば攻めるほど守備がハマるメカニズム

2019年11月26日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

試合状況によっては、守備もストロングポイントに

アウェー松本戦は1-0の完封勝利。ロストすればすぐに奪い返す。素早い攻守の切り替えが奏功し、クリーンシートを達成した。写真:徳原隆元

 32節のアウェー松本戦で、横浜は仲川輝人のゴールを守り切り、1-0の勝利を収める。これで5連勝を達成し、同節にホームで湘南と引き分けたFC東京を抜いて、今季初めて首位に立った。

 攻撃力を最大の売りにするチームとして、複数得点できなかったのはやや物足りなさが残ったが、それよりもこの松本戦で際立っていたのは守備面だった。

 攻撃陣が自陣まで戻って精力的にディフェンスをこなすのはもちろん、敵陣でロストすればすぐに攻守を切り替えて、ボール奪取を試みる。そのスピード感と強度の高さは、見事の一言だった。

 ボランチで攻守にフル稼働した扇原貴宏が振り返る。

「本当に、練習からそこは徹底してやっているので。日々の積み重ねが、(攻守が)切り替わった瞬間の出足に出ている。切り替えの部分で、今日は全員が速かったし、そこで奪い返して二次攻撃っていうのが多かった。切り替えのところは、チームとして自信にしているところだと思う」
 
 周知のとおり、『アタッキング・フットボール』を掲げる横浜は、攻撃特化型のチームとして認識されていて、そのスタイルゆえに失点の数も決して少なくない。ただ、だからといって守備を軽んじているわけでもなければ、不得手にしているわけでもない。

 むしろ、試合状況によっては、ストロングポイントにもなり得る。松本戦はポゼッション率77.9パーセントと相手を押し込む時間帯が長く、そうした展開では「(選手同士の)距離感もいいし、(ボールを)失う場所もいいというか、切り替えやすかったっていうのはある」と扇原は言う。

 攻めれば、攻めるほど、守備も機能する好循環。「自分たちのサッカーができれば、できるほど、切り替えも速くなると思う」(扇原)。個々の守備意識も高く、トップ下のマルコス・ジュニオールは「チームプレーが目標。毎試合、そこは意識しているし、チームのために守備も頑張る」と表情を引き締める。

 リーグタイトルも見えてきたこのタイミングで、横浜はさらに攻守両面で充実した戦いができるようになってきた。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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