【U-22代表】菅原由勢の言う「刺激の活性化」。それをやってくれそうな筆頭候補は…

2019年11月18日 志水麗鑑(サッカーダイジェスト)

食野はアグレッシブにドリブルで仕掛けた

菅原は過去の経験をヒントに今後の改善方法を話してくれた。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

[キリンチャレンジカップ]U-22日本代表0-2U-22コロンビア代表/11月17日/エディオンスタジアム広島

 U-22日本代表はU-22コロンビア代表に0-2で敗れた。特に前半はパスが噛み合わずに攻撃が停滞すると、48分にはクロスのこぼれ球を拾われてシュートを叩き込まれ、59分にはカウンターからも失点。国内初の国際試合、そして久保建英、堂安律らA代表に名を連ねる選手たちも組み込んだベストメンバーという期待感とは裏腹に、攻守で低調な出来だった。

 東京五輪まで1年を切ったなかで、連係不足も露呈した完敗劇。では、ここからいかにしてチームとしての力をつけていくべきか。今年5~6月にはU-20、17年10月にはU-17ワールドカップに出場した菅原由勢に、過去の世界大会の経験をヒントに何か改善方法はあるか、聞いてみた。

「うーん、今までのワールドカップと違って、お互いがプロの選手として自立している。お互いが自分の課題や伸ばさないといけない部分は分かっていると思うので、そこを刺激し合ったりというのが必要だと思う。例えば違う選手が点を決めたりというのが、刺激を活性化していくと思うので、そういう個人の頑張りが大事だと思います」

 個人の奮闘で互いに刺激をし合う。たしかに、コロンビア戦では右ウイングバックで先発した菅原も、味方を上手く使いながら積極的にオーバーラップし、好アピールをしていた。だが、他にも興味深いプレーとコメントを残していた選手がいる。

 83分から途中出場した食野亮太郎だ。

 食野はわずかな出場時間ながらも、ボールをもらえばとことん前を向き、アグレッシブにドリブルで仕掛けた。味方との連係も悪くなく、89分にはミドルも放ち、積極的な姿勢を見せている。そして、試合後のコメントも「結局は個人だと思う。個人が強くなって大きくならないと、試合には勝てない。自分はそういったところを特徴としている選手なので、さらに大きくしていく必要があるのかなと思います」と"個"の重要性を述べていた。

 食野のプレーとコメントからは、シャドーで先発した「久保建英&堂安律の牙城を、俺が崩してやる!!」というような気概は感じられた。これこそ、菅原の言う「刺激の活性化」だろう。それをやってくれそうな筆頭候補は、他でもない食野だった。

 もっとも、出場時間が短かったエクスキューズはあるとはいえ、食野はコロンビア戦で無得点。ミドルシュートも外し、「シュートの下手さが出たと思う。あの1本をしっかり枠に飛ばせるように、スコットランドに帰って練習します」と言う。所属クラブのハーツに戻り、さらなる成長をできるか、食野の"個"の伸びに期待したい。

取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)
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