【横浜FC】経験、浸透、自信、結果……「いろんな舞台が整った」と佐藤謙介も意気軒昂

2019年11月17日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「今年の三ツ沢では勝率もいいので」

冷静沈着なプレーと高いパスセンスが光る佐藤。俊輔とともにダブルボランチを組み、チームを操舵する。写真:滝川敏之

[J2第41節]岡山0-1横浜FC/11月16日/Cスタ

「難しいゲームになると思っていましたけど、全員が勝利のために、チームのためにというところで戦った結果が、この1-0だと思う。大変でしたけど(笑)」

 貴重な勝点3を積み上げたアウェー岡山戦を、ボランチの佐藤謙介はそう振り返る。24分に松尾佑介のゴールで幸先良く先制に成功。だが、後半は劣勢の時間帯が長くなり、相手の際どいシュートはポストに二度、救われる場面もあった。それでも、横浜FCは最後まで粘り強く守り抜いて勝利をもぎとった。

 これで勝点は76となり、自動昇格圏内の2位をキープ。同じ勝点だった3位の大宮が新潟と引き分け、勝点2差に。最終節のホーム愛媛戦で勝てば、自力でのJ1復帰が決まる。

 チームは目下4連勝中。熾烈な昇格レースが大詰めを迎えるなか、柏が一足先にJ1昇格& J2優勝を決めた一方で、横浜FCも怒涛の勢いで勝ち星を挙げている。

 好調の要因はどこにあるのか? 佐藤は「経験」を挙げた。

「最後の5試合は難しくなるし、経験のある人間が必要だと思っていました。そこでシュンさん(中村俊輔)がゲームをコントロールしてくれて、最終ラインにはイノさん(伊野波雅彦)やキャラ(カルフィン・ヨン・ア・ピン)もいる。去年、昇格争いを経験した選手もいる。そういう経験が活きていると思うし、今日みたいな難しいゲームでも慌てない。

 もちろん、もっとボールを保持するのが理想ですけど、勝つために何が必要かを全員が理解してやってくれているので。その結果が、この4連勝につながっていると思います」
 
 下平隆宏監督が落とし込む戦術も、チーム全体で共有できているようだ。

「ビルドアップのところでは、まずはいかにハーフウェーラインを超えるかは、ひとつ意識しています。そのために、どういうポジショニングが必要か、今はどういう立ち位置にしたほうがいいか、とか。たとえば、僕がボランチから下がったら、サイドハーフの選手はここにいようとか、サイドバックの選手はちょっと高い位置を取ってみようとかは、あまりしゃべらずともできている。

 11人だけでなく、途中から出てきた選手も含めて、チーム全体でそこを理解してやれている。シモさん(下平監督)の考えるサッカーが全員に浸透してきている部分はあるし、まだまだ足りない部分はあるかもしれないですけど、相手の状態を見ながら、そこに対して柔軟に対応できています」

 自信を持って戦えているし、結果もついてきている。良い状態で"最終決戦"を迎えることができそうだ。

「いろんな舞台が整ったし、今年の三ツ沢では勝率もいいので。最後はホームで昇格を決められるっていうのはモチベーションにもつながります。多少、プレッシャーもありますけど、それも楽しみながら、モチベーションを上げて、最後勝って、決めたい」

 高ぶる気持ちをパワーに変えて、J1行きの切符を掴み取りたい。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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