【選手権予選】王者・青森山田がPK戦の末に…。東京AB、大阪、静岡などで新たに10校の本大会行きが確定!

2019年11月16日 高校サッカーダイジェスト編集部

帝京は10年ぶりの本大会行きならず…

白熱の名勝負が演じられた東京A決勝。國學院久我山(右)が終盤に帝京を振り切り、凱歌を上げた。写真:徳原隆元

 令和元年度の第98回全国高校サッカー選手権は11月16日、各都府県で予選が開催され、新たに10の代表校が確定した。

 まずは白熱のゲームが続いた東京AB決勝からだ。

 東京Aのファイナルで対峙したのは國學院久我山と帝京。先手を取ったのは前者だった。開始早々の3分、クロスボールのこぼれ球に反応した山本献が右足でネットを揺らす。以降もサイドを起点に攻撃を展開して帝京ゴールに何度も迫り、17分には戸塚が追加点を奪った。だがここから、帝京が意地を見せる。29分に高橋が1点を返して息を吹き返すと、後半19分にはCKの流れから山本乾が押し込んで同点に追いついた。

 インテンシティーの高い緊迫した一戦は、終盤に國學院久我山が勝負強さを発揮する。後半29分にエースの山本航が勝ち越し点を奪い、さらに終了間際にも途中出場の清井がダメ押し弾を蹴り込む。壮絶な撃ち合いを制した國學院久我山が、4年ぶり8回目の選手権出場を決めている。

 劇的な幕切れとなったのが東京B決勝だ。東海大高輪台と東久留米総合のバトルは、前者が個人技を活かした掛けと巧みなパスワークで何度か好機を掴むも、スコアレスで前半を終える。後半になっても流れは変わらず、東海大高輪台がゴールを割れずにいると、徐々に東久留米総合がカウンターからチャンスを創出。そして迎えたアディショナルタイム、東久留米総合がドラマチックな一撃を見舞うのだ。ラストプレーのCKから岩田が見事に頭で合わせ、鮮やかにウノゼロを達成。粘り強く戦い抜いた東久留米総合が無失点優勝を飾り、8年ぶり3回目の出場を決めた。

 
 およそ3週間ぶりに再開された青森予選では、決勝で青森山田と八戸学院野辺地西が対戦した。選手権王者は1年前に2-1の大苦戦を強いられた相手の組織的な守備を、この日もなかなか崩せず、前半を終えてスコアは0-0のまま。後半に入っても拮抗した試合展開が続き、ゴールは生まれずに延長戦、そしてPK戦へと突入した。八戸学院野辺地西が決め切れないなか、青森山田はキッカー4人全員がモノにして4-2。かつてないほどの薄氷を踏む思いで、県23連覇を達成している。

 静岡決勝では静岡学園の攻撃陣が爆発した。富士市立とのファイナルは、開始20秒にいきなり動く。静岡学園は松村が敵ボールを奪ってそのまま相手ゴールを陥落。さらに加納、小山、小山とラッシュを決め込み、進藤にFKから1点を返されたものの、後半に入ってさらに2ゴールを積み重ねて6-1の圧勝を収めた。選手権は5年ぶり12回目の出場だ。技巧派揃いの富士市立は果敢にチャレンジを続けたものの、決定力の差が明暗を分けた。

 愛知決勝は立ち上がりに2点のリードを奪った愛工大名電が、岡崎城西に競り勝った。前半4分に鈴置が、同9分に平井がゴールを決めて試合を優位に進める。前半20分に一度は1-2とされるも、さらに2点を加えて点差を広げ、前半を終えて4-1。後半は岡崎城西の反撃を1点に抑えて、凱歌を上げた。高校野球の超強豪校が、ついに選手権初切符を手中に収めている。

【選手権予選 東京A】國學院久我山 4-2 帝京|國学院久我山がハイレベルな試合を制し優勝

【選手権予選 東京B】都立東久留米総合 1-0 東海大高輪台|劇的AT弾で都立東久留米総合が全国切符をゲット
 

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