長谷部誠も認めるインテリジェンス。トップ下での成功を望む鎌田大地が、2次予選4発の南野拓実との競争に挑む!

2019年11月13日 元川悦子

昨季は公式戦通算15ゴールも、あくまで「中盤のわりに得点に絡めるのが特長」

10月シリーズに続く招集となった鎌田。フランクフルトでの好調を代表に持ち込みたい。(C) SOCCER DIGEST

 14日に迫った2022年カタール・ワールドカップ・アジア2次予選キルギス戦(ビシュケク)。2日前には日本代表メンバー23人全員が揃い、10月シリーズに続いて招集された鎌田大地(フランクフルト)も合流。同じリオ五輪世代の浅野拓磨(パルチザン)らと笑顔でランニングを消化するなど、状態のよさをアピールした。


「クラブと代表ではやってることが全然違う。クラブはクラブ。代表は代表です」と日頃はフランクフルトでのプレーに神経を集中させている鎌田だが、いち早く代表モードに頭を切り替えたはず。今年3月のコロンビア戦(日産)でA代表デビューしてから4試合出場で1ゴールと、ここまではまずまずの結果を残しているが、まだ完璧に代表定着を果たしたとは言い切れない状況だ。自身の地位を確立するためにも、キルギス戦では大きなインパクトを残す必要がある。


 しかも、彼がここまで起用されたのは最前線が中心だ。絶対的1トップ・大迫勇也(ブレーメン)不在時の穴埋め役のひとりという印象が強かった。ベルギーのシント=トロイデンでシーズン通算公式戦15ゴールを挙げていた昨季は、点取り屋に近い役割を担っていたため、代表でトップ要員と位置付けられるのも納得できただろうが、今季所属するフランクフルトではトップ下がメイン。10月24日のヨーロッパリーグ(EL)・リエージュ戦のようにチーム事情で2トップの一角に入るケースもゼロではないが、「去年15~16点を取ったからと言って、自分がストライカーみたいにゴールを量産できる選手だとは思っていない。中盤の割に得点に絡めるのが特長」とあくまで攻撃的MFだという強い自負がある。「欧州4大リーグでプレーできる日本人の中盤の真ん中はほとんどいない。自分がより上に行くためにも、そこで頑張って評価されるようにならないといけない」と語気を強めるほど、本人はトップ下での成功を熱望しているのだ。

 だからこそ、代表でもクラブと同じ役割で躍動したいところ。現に10月のタジキスタン戦(ドゥシャンベ)でも、後半から南野拓実(ザルツブルク)とポジションを入れ替え、トップ下に回ってから本来の輝きを取り戻している。「ドイツに戻ってから体中のいろんなところに痛みを感じるくらい一つひとつの動作の強度が上がった」と日常的環境を通して接触プレーに磨きをかけてはいるものの、やはり前向きにプレーできる状態の方が持ち前の技術や創造性、フィニッシュの力を出しやすい。今後もこのポジションを極めていった方が鎌田自身も、チームにとってもプラスに違いない。

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