代表初ゴールのなでしこ主将、熊谷紗希は「もっともっと戦えるチームに」。高倉監督は勝利にも「スッキリしない展開」と納得せず

2019年11月10日 サッカーダイジェストWeb編集部

代表戦110試合目にして初ゴール

ワールドカップ後のテストマッチで2連勝を飾ったなでしこジャパン。4番のDF熊谷紗希は代表110試合出場で初得点を挙げた。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

 11月10日に、なでしこジャパンの国際親善試合・MS&ADカップ2019の南アフリカ戦が、北九州スタジアムで行なわれ、2-0でなでしこジャパンが勝利を収めた。

 試合は20分、この日キャプテンマークを巻くDFの熊谷紗希のヘディングシュートで先制。さらに41分、岩渕真奈が最前線の菅澤優衣香に縦パスを供給。菅澤は反転からループショットを放ち2-0とした。

 後半スコアは動かずそのままタイムアップ。なでしこジャパンはワールドカップ後、カナダ戦に続き、テストマッチで2連勝を飾った。

 試合後のフラッシュインタビューでは、得点を挙げた菅澤は、得点シーンを振り返るとともに、後半無得点だったことについてこう語った。

「相手もきていなかったので、まずは自分でシュートというイメージはできていたので、(ゴールできて)良かったなと思います。

 自分たちの今の課題でもあるので、1点ずつしっかりと決めきるというところをやっていきたいので、後半なかなか点が入らなかったので、そういうところはチームとしてしっかり修正していければと思っています」

 続いて、菅澤の得点をアシストした岩渕は、チームの手応えとともに、課題も口にした。

「チームとしても少しずつですが積み上げられているものがあるのかなと思います。今日も自分のところでパスミスがあったり、失い方が悪くてカウンターをくらう場面もあったので、そこはチーム全員で意識してやりたいなと思います」

 代表110試合目にして初ゴールを挙げた、キャプテンの熊谷は、「ありがとうございます。本当になにより嬉しかったんですけど、やっと入ったなという気持ちの方が大きいです」と安堵の様子を見せた。

 さらに今後の課題を見据え、こう語った。

「普段やる相手とは違ったスタイルの相手と戦う中で、まだまだ修正点というのはたくさんあるんですけど、0で抑えて勝てたことは良かったと思います。自分たちがボールを持っている時間を多くするということと、ミスを少なくするということが、私たちの生命線になってくると思うので、そこの質をもっともっと上げて、もっともっと戦えるチームになりたいなと思います」

 高倉麻子監督は試合の評価をこう語る。

「やはり、選手は前向きに取り組んでくれましたし、自分たちのペースで試合を進めている時間帯もありましたけど、南アフリカの個の強さというか、球際のところがなかなか自分たちのものにならず、テンポを掴み切れず、なんとなくスッキリしない展開になってしまったかなと思っています」

 そして東京五輪に向け今後のテーマを掲げた。

「全体的な強度を上げていかなければいけない。コンビネーションのところも、くずしから思い切ったシュートというのが少ないので、ゴールを目指すというところに関してはもっと修正できるのかなと思っています」

 今後のなでしこジャパンは、12月に韓国で開催せる、東アジア選手権に出場し、来年の東京五輪に挑む。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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