長期離脱の「憲剛さんのためにも」浦和戦後に小林悠、谷口彰悟が語った想い

2019年11月06日 本田健介(サッカーダイジェスト)

中村が前節の広島戦で左膝を負傷

勝利をサポーターと喜び合った川崎の選手たち。試合後には広島戦で負傷し、長期離脱が決まった中村への想いも口にした。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ32節]浦和0-2川崎/11月5日/埼スタ

 浦和がACLの決勝に勝ち上がった影響で、他チームより先にJ1・32節を戦った川崎は、脇坂泰斗、小林悠のゴールで完封勝ちを収めた。

 2-1で制した30節の広島戦から中2日、苦しいスケジュールのなかで選手たちは意地を見せた。序盤からなかなかリズムに乗れない展開も、35分に脇坂のミドルで先制すると、相手のカウンターに粘り強く対応し、途中出場の小林が78分に追加点。クリーンシートで貴重な勝点3を得た。

 ただ、広島戦では大きなアクシデントにも見舞われていた。チームの司令塔で精神的支柱である中村憲剛が負傷。左膝前十字靭帯損傷と診断され、長期離脱が決まったのだ。

 浦和戦のキックオフ前には川崎の応援席に、中村の背番号14があしらわれた、大きなユニホームフラッグが掲げられたが、選手たちも特別な想いを抱えていたようだ。

 この日はベンチスタートだった主将の小林に代わって、キャプテンマークを巻いた谷口彰悟は、試合後に心の内を明かす。

「憲剛さんにはずっと引っ張ってきてもらって、僕らは近くでその姿を見てきました。それにああいう怪我をしてしまって、一番悔しいのは憲剛さんのはず。だからこそ安心して治療に専念できるように、チームのことは僕らに任せてもらいたいですし、そういうチームになっていきたい。特に話し合ったわけではないですが、皆、思っていることは一緒のはずです。自然とそういう気持ちで試合に臨みました」

 また浦和戦でゴールを奪った小林は、その得点の意味を振り返る。

「憲剛さんの分も、僕らでチームを引っ張っていくという気持ちもそうですが、憲剛さんに勝利を届けたいという想いが強いです。今、僕がしてあげられるのは、ゴールを決めてパワーを送ることくらい。今日はそれができました。僕も同じ怪我をしたことがありますし、辛さは分かっているので、少しでも元気づけたいです」

 川崎は浦和を下し、消化試合がひとつ多いとはいえ、首位の鹿島との勝点差を5、来季のACL出場圏内の3位の横浜との勝点差を4に縮めた。週末の11月9日には鹿島との直接対決も待っている。「僕らは綱渡りで、負ければ終わりという状況」(谷口)ではあるが、誰もがクラブのレジェンドへの想いを抱えながら、さらに上を目指す覚悟だ。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

【浦和0-2川崎 PHOTO】敵地で2発快勝!4戦負けなしで逆転優勝へ望みをつなぐ!

【脇坂泰斗&小林悠 PHOTO】強烈なミドルと、貴重な追加点で勝利に貢献!に選手の厳選PHOTO!
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事