「黙るのはお前だ!」元アーセナルの悪童FWが大先輩アンリにブチギレた14年前の秘話を激白

2019年11月03日 サッカーダイジェストWeb編集部

黄金期のアーセナルに飛び込んだ俊英

アーセナルで研鑽を積んでいた若き日のベントナーは、大エースに噛みつくほど血気盛んだった。 (C) Getty Images

 どの世界にも上下関係は存在する。無論、サッカー界も例外ではない。

 その事実をしみじみと告白した男がいる。元デンマーク代表FWのニクラス・ベントナーだ。現在は母国の名門コペンハーゲンでプレーしている点取り屋は、かつてアーセナルやユベントスでプレーした経験を持つ。

 そのベントナーが、自伝出版に当たって応じた英紙『Guardian』のインタビューで明かしたのは、アーセナルのアカデミーに在籍しながらトップチームの練習にも参加していた2005年の出来事である。

 当時のアーセナルはまさに黄金期にあった。智将アーセン・ヴェンゲルが手塩にかけて作り上げたチームは円熟期を迎え、大黒柱のティエリ・アンリを筆頭に、ソル・キャンベル、アシュリー・コール、ロベール・ピレス、デニス・ベルカンプ、ロビン・ファン・ペルシ、セスク・ファブレガスと多士済々の顔触れが揃っていた。

 まだ17歳だったベントナーは、そのトップチームの中でがむしゃらに練習をこなしていた。だが、ある日、2タッチしか許されていないゲーム形式の練習で、事もあろうに大エースのアンリと衝突してしまったという。

 ベントナーは、この時の経緯を次のように明かしている。

「その時の俺は17歳だったけど、毎週2回はトップチームの練習に参加していて、自分はスター選手と一緒にトライアルしているだけの存在であることを忘れてしまう時もあったんだ。ある練習で2タッチしかできない11対11のゲームで、アンリが3回タッチするのを見た俺は、咄嗟に『3タッチ』と叫んだ。

 すると、アシスタントコーチのパット・ライスから『いいから、続けろ!』と返されたんだ。さらに俺の声が聞こえていたアンリは、唇に指を当てて、『シーッ!』と言ってきたんだよ

 その直後、俺も同じことをした。でも、不可抗力だったのに、アカデミー選手だったからペナルティを取られてね。ムカついた俺は文句を言った。『全員、同じにすべきだろ』って。すると、アンリが『黙れ』と言ってきたんだ。たくさんの罵声も使ってね。俺はそれを受け入れなかった。『黙るのはお前だ!』と言い返したんだ」

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