フベロ監督も「重要な試合」と強調。磐田の”まくり”は静岡ダービーから始まるか?

2019年11月02日 古沢侑大(サッカーダイジェスト編集部)

静岡ダービーでの勝利が今後の勢いとなるか?

磐田を勝利へ導いたフベロ監督。試合後には「(残留へ向けて)この勝利は大きい」とコメント。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ30節]清水1-2磐田/11月2日(土)/アイスタ

 通算50回目を迎えた静岡ダービーの勝者は、磐田だった。

 試合は開始早々の5分にルキアンが相手の裏に抜け出すと、清水のCBファン・ソッコに後ろから引っ張られて倒される。ファン・ソッコに対してはレッドカードが提示され、磐田は残り85分をひとり多い状況で戦うことになった。

 磐田は数的優位で、余裕を持ってボールを保持しながら、相手の綻びを探っていた。そして39分に左サイドからの小川大貴のクロスをペナルティエリア内で受けた藤川虎太朗がトラップし、右足を振り抜く。ボールはGKのニアサイドを抜いてゴールネットを揺らした。その後、同点にされるも86分にアダイウトンのゴールが生まれ、静岡ダービーを制したのだった。

 試合後の会見でフェルナンド・フベロ監督は試合をこう総括した。

「非常に厳しい試合でした。相手も集中力を高く保っていましたが、自分たちが用意していたプランには沿う試合内容でした。特に前半は、狙っていた形を出して先制点を奪い、後半は、早い時間の失点は、厳しい展開になりましたが、その後にコントロールし直すことに成功しました。落ち着きを取り戻した結果が勝利につながりました」

 確かに後半開始から30分間は押し込まれる展開が続き、オウンゴールで失点したが、序盤のパス回しも効いたのか、清水の運動量が落ちた終盤は盛り返し、勝ち越しに成功した。
 
 静岡ダービーというプライドを賭けた一戦で、勝利を掴んだフベロ監督率いる磐田だが、残り4試合で残留圏・15位の鳥栖とは勝点差7(勝点差6の16位・湘南の試合は11月3日に行なわれる)。残留という目標に関して厳しい状況に変わりはない。

 ただ、ダービーでの勝利で勢いに乗れる可能性はあるだろう。フベロ監督も「自分たちがこれから生き残っていくうえで、非常に重要な試合でした。チームの精神面においてもこの勝利は大きい」と残留へ向けてターニングポイントになると感じていたようだ。

 残留の可能性を残し、残り4試合を迎える。来季も静岡ダービーをJ1で開催できるように――。磐田の"まくり"はここからだ。

取材・文●古沢侑大(サッカーダイジェスト編集部)
 
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