【柏】昇格目前で足踏み……今こそ耳を傾けるべき瀬川祐輔の言葉

2019年11月03日 志水麗鑑(サッカーダイジェスト)

瀬川は球際をよく戦っていた

スライディングでボールを奪いにいく瀬川。写真からでも、球際をよく戦っていたことが分かる。写真:田中研治

 38節の福岡戦に4-0で快勝し、39節に勝てば他会場の結果次第では昇格を決められる状況で、瀬川祐輔に「昇格に向けて、残り試合で大事になることは?」と聞いていた。そして、次のような回答が返ってきた。

「自分たちのサッカーというか、サッカーに必要なものを、切り替えだったり運動量だったり、球際を戦うというところが、一番大事になってくると思いますね。戦術とかも大事ですけど、どれだけ相手を圧倒できるか。自分たちのサッカープラス、原則的な部分をしっかり全うできるかが大事だと思います」

 そして迎えた大宮戦は1-2で敗れた。3分にマテウス・サヴィオのゴールで先制したが、42分と44分に立て続けに失点し、そのままタイムアップ。試合後、瀬川は敗因について、このように見解を述べている。

「僕が思うに、前半の1点を取ってからの10分後くらいから、徐々に緩みだしたというか。ボールを取られた後のアプローチも遅かったし、切り替えも遅くて、あとは相手の後手を踏むことが多かった。それが、1、2失点目、どっちも。1点目はしょうがない部分もありますけど、つなぐのにこだわりすぎた部分もあるし、ちょっと一人ひとりの判断の悪さと、全部緩みから来ているのかなと思いました」
 福岡戦後に話していた「切り替え」「運動量」「球際」について、大宮戦後にまた述べていた。そして、「前半に関しては、それがすごい顕著に出ていたと思います。それが(原因で)2失点をするのは、必然的だったかなと、僕は思います」と続けた。

 少なくとも、瀬川は大宮戦でも運動量が豊富で、切り替えが速く、球際をよく戦っていた。それは、失点した後も変わらずで、しかもこの試合に限らず、"常に"である。だからこそ、実に説得力のある言葉だった。

 大宮戦の足踏みは、柏にとって手痛い黒星だが、幸いにもまだ首位にいる。残り3試合、もちろん戦術も大事になるものの、「切り替え」「運動量」「球際」といった「原則的な部分をしっかり全うできるか」。それを再びできれば、自ずと昇格は決められるはずだ。

取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)
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