忍び寄るJ2降格の危機…浦和が今後重視すべきポイントは?

2019年11月02日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

宇賀神が挙げた課題は

鹿島との30節は0-1で敗戦。これでリーグは3試合勝利なし。写真:滝川敏之

[J1リーグ30節]鹿島1-0浦和/11月1日/カシマ

 ACLで決勝へと駒を進めた浦和レッズだが、J1のリーグ戦では思わぬ苦戦を強いられている。

 31試合を消化した時点で勝点36の9位。J2チームと入れ替え戦を戦うプレーオフ出場圏の16位まで勝点5差だ。しかも残留を争う他チームがいずれも29試合を終えた時点で、この結果だから、事態はかなり深刻だと言える。

 4位のサンフレッチェ広島戦(10月29日)、1位の鹿島アントラーズ戦(11月1日)を終えた今、今後の相手を考えると、不安は募るばかりだ。鹿島戦から中3日で6位の川崎フロンターレとの一戦を迎え、その後アル・ヒラルとのACL決勝の2試合をこなした後に、今度は2位のFC東京戦、そして最終節はアデミウソン、宇佐美貴史らタレントを揃えるガンバ大阪戦と、強度の高い試合が続く。

 J2降格の危機は着実に忍び寄ってきているのである。

 原因は様々だろう。勝ち進んでいるACLとの戦い方のギャップ(個人で対応してくるチームが多いACLに対し、Jリーグはより組織的)、単純な決定力の低さ、結果が出ないことによる焦りなど、挙げ出したら正直キリがなさそうだ。
 
 では、いばらの道を行く浦和が残留争いを勝ち抜くためのポイントはなんなのか。

 在籍10年目の宇賀神友弥は言う。

「恐れることなく目の前の試合だけを考える。勝点を星勘定するのではなく、本当に目の前の1戦だけにすべてを懸けて戦う。そのためには誰かがリーダーシップを取らなければいけない。全員が残留に向けて勝点を取ることに向けてすべての力を注ぐと、もう一度そういう気持ちを持たなければいけない」

 当たり前のようだが、こうしたメンタルコントロールこそが、なによりの改善策だろう。どれだけの選手が強烈な危機感を持っているのか、本当に死力を尽くせているのか、あるいは気張り過ぎていないか――チーム全体が今一度気を取り直すということである。

 そうすれば自ずと全員に責任感が生まれ、リーダーシップを取る選手も現われ、チームは一枚岩になれるのではないか。まずは意識改革。浦和に最も求められるのは、明快だ。

取材・文●多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)

【鹿島 1ー0 浦和 PHOTO】セルジーニョの復帰決勝弾で鹿島が浦和を撃破!

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