【横浜FC】「どっちをやるにしても絶対にプラス」守備のスペシャリスト田代真一の充実ぶり

2019年10月28日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

鋭い読みとタフなディフェンスで連敗回避に貢献

2-1で勝利した東京V戦ではCBでプレー。「今日のゲームはすごく大事だっていうのは、みんな分かっていた。(勝因は)気持ちのところが大きいかなと思います」。写真:滝川敏之

[J2リーグ第38節]横浜FC2-1東京V/10月27日/ニッパツ

 レギュラーCBである伊野波雅彦を出場停止で欠いた東京V戦で、横浜FCの下平隆宏監督は田代真一を4バックの中央に組み込んだ。現体制下ではボランチの一番手として不動の地位にいる田代は、元々はCBの選手だけに、伊野波の代役を見事にこなしてみせた。

「(CBは)久しぶりで、前節(京都戦)は3失点して負けているし、勝ちにこだわってやっていきたいと思っていました。なるべくゼロで抑えられるようにと試合に臨みました」

 結果は2-1で横浜FCの勝利。1失点したものの、それ以上の相手のゴールは許さず、"CB"田代は鋭い読みとタフなディフェンスで連敗回避に大きく貢献した。

 普段はボランチでプレーしているだけあり、CBでも「配給」の部分で良さを出していた。この日のダブルボランチの組み合わせは、中村俊輔と佐藤謙介。どちらも技術に優れるタイプで、彼らふたりと田代を合わせた後方のトライアングルではスムーズにボールを動かしていた。田代は「前半は特にボールが落ち着く時間帯を長く作れた」と手応えを語る一方で、後半の出来にはあまり満足できていないようだ。

「後半は(東京Vが)ああやって前からハメてきて、その時にどうボールを動かしていくか、相手を剥がしていくかは、今後大事になってくる。もう少し、落ち着いてボールを回せたらなと思います」

 常に向上心を持って、さらなる高みを目指している。「ボランチでもCBでも、まだまだ課題はある。結果を出しながら、課題を克服していくことが大事」と語る。ふたつのポジションでのプレーも、少なからず難しさはあるかもしれないがポジティブに捉えている。

「ボランチとCBでは、多少やることは違うけど、自分がボランチでやっていた時に助かったと思うことが、CBでまた活かせるというか。どっちをやるにしても、絶対にプラスにはなっているはず」

 今年31歳を迎え、守備のスペシャリストとしてますます円熟味を増している田代が、13年ぶりのJ1昇格を目指す横浜FCを後方から力強く支えている。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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