【柏】衝撃の11。ヒシャルジソンの警告数に対する、チームメートの見解が興味深い

2019年10月28日 志水麗鑑(サッカーダイジェスト)

「審判の方によってはということもあると思いますけど……」

福岡戦でもヒシャルジソンは効果的なプレーをしていた。写真:徳原隆元

 今季、ヒシャルジソンの警告数は衝撃の11。これは柏で最も多い数字で、J2でもトップである。

 もちろん、イエローカードを複数枚もらっていることを肯定するつもりはない。だが、チームメイトの染谷悠太が4-0で勝利した福岡戦後、興味深い見解を述べていた。

「まあ、あの……、やっぱり、人と人とのことなので、それは審判の方によってはということもあると思いますけど、でもヒシャの良さは球際にしっかり行けるところだと思うので、それをしっかりどの試合でも出してくれるのはチームとしても非常に大きい。僕らCBからすれば非常に助かっています」

 ヒシャルジソンが中盤で球際を激しく戦っているプレーは、染谷のコメントからもいかにチームにとって有益なのかが窺える。福岡戦でも、セカンドボールへの反応が早く、インターセプトやボール奪取も光った。他の試合より優勢の時間が長かったとはいえ、中盤でボールを回収するためのポジショニングも良い。さらに、15分には右サイドから瀬川祐輔に好クロスを上げるなど、攻撃参加も素晴らしかった。

 実際に数字上でも、今季のヒシャルジソンは7試合で出番がなかったが、その勝敗の内訳は4勝3敗。一方で出場した31試合の内訳は18勝9分4敗だ。それぞれ、試合数に対して負けた数にフォーカスしてみると、"敗戦率"はヒシャルジソンが出場した試合は約13%、出場しなかった試合は約43%である。

 ヒシャルジソンが不在だと、負ける確率が高まっている。もちろん、このボランチがすべて影響しているわけではないが、潰し屋が欠かせない存在かがよく分かるだろう。

 中盤で"潰す"働きは、最終ライン前の防波堤として最もCBに寄与するだろう。染谷は「(ヒシャは)ボールを回収する能力は非常に長けています。ヒシャが潰すところをしっかり潰してくれるので、それは非常にチームとしても助かっています」と感謝する。たしかに、イエローカードは多いが、J2優勝&J1昇格が目前に迫った柏において、ヒシャルジソンはかなり重要なキープレーヤーだ。

取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)
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