J2首位が見せた”格の違い”。福岡指揮官が嘆くほど、柏が上回っていた点は?

2019年10月27日 志水麗鑑(サッカーダイジェスト)

「上位と下のチームで少し差はあった」

柏は特にオルンガのキープ力が際立っていた。写真:徳原隆元

 J2リーグ38節、柏は福岡に4-0で快勝したが、結果の通り"格の違い"を見せつけたゲームだった。

 柏は25分、左サイドでオルンガのパスを受けた江坂任が先制点を決めると、36分にはその江坂のスルーパスに今度はオルンガが抜け出して追加点を決める。49分にはゴール前のこぼれ球を拾ったオルンガが再び加点し、最後は69分に瀬川祐輔との連係からマテウス・サヴィオがネットを揺らした。

 まさに、柏の快勝劇だったが、試合後には敵将の久藤清一監督もゲームをこう総括している。

「たくさんのサポーターが来てくれているなかで、勝点1でも取りに行きたかったですけど、残念です。単純に監督としての力不足だなと思います。上位と下のチームで少し差はあったと思います」

 久藤監督の言葉通り、明確な差はあったが、「一番差を感じたところは?」との質問にはこう答えていた。

「クリアボールを向こうはしっかりと収めた。それに対して、こっちは収まらなかったりとか。球際のところで少し負けてしまったりとか。というところは感じました」

 たしかに、空中戦では柏のCBである染谷悠太と山下達也が福岡のFWにことごとく勝っていたし、一方で福岡の最終ラインはオルンガにフィジカルで当たり負けして、起点を作らせてしまっていた。なかには、オルンガと接触し、よろけて倒れるDFさえもいた。

 その他にも、豊富な運動量を発揮した瀬川を筆頭に、柏の選手がほとんど球際のバトルを制していた。ボールスキルやフィジカルなど、あらゆる面で柏が上回り、福岡に"格の違い"を見せたと言っていいだろう。

 残り4試合で2位の山形と勝点8差。現在、数字上では優勝も昇格も決まっていないが、もはや「柏はここから1試合も落とさず全勝する」と思えてしまうほど、J2の最終盤で良い状態にある。

取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)
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