【セルジオ越後】興梠の活躍ぶりは銅像級。ただしエースの輝きに頼ってばかりじゃレッズに未来はない!

2019年10月24日 サッカーダイジェストWeb編集部

個人の突破力で打開する選手がいなかったから、そこまでの怖さはなかった

決勝進出へまさにエースの仕事をやってのけた興梠。その活躍を越後氏も称賛する。(C) Getty Images

 レッズがACL決勝進出を決めたね。ホームでの第1戦に2-0で勝った後、敵地での第2戦も手堅く1-0で勝利。広州恒大は今年ホームで圧倒的な強さを誇っていたけど、2連勝で準決勝を突破したのは立派だよ。

 ゲームとしては、やっぱりホームでの第1戦をモノにしていたのが大きかったよね。第2戦は終始ディフェンシブな試合運びだったけど、相手もワンリズムで単調な試合運びしかできなかった。レッズで言えば関根みたいなドリブラーがいなかったのが、幸いしたよ。もちろん、身体能力が高くて足もとが上手いブラジル人選手はいるけど、個人の突破力で打開してくる選手はいないから、そこまでの怖さはなかった。

 やっぱり、エウケソンにしても、パウリーニョにしても、数年前は凄かったけれど、ちょっとピークを過ぎた感がある。パフォーマンスに今ひとつ全盛期のキレがないし、力は落ちてきているよ。
 

 長身のタリスカにしても、真ん中で勝負するタイプの選手だから、けっこうサイドからクロスを放り込んでくる攻撃が多かった。浦和にしてみれば、守備がセットされた中央に放り込んでくれるから、守りやすかったんじゃないかな。そうして、相手の攻撃を凌いでいるうちに、広州のディフェンスの意識が薄くなって、興梠がその隙を突いた。

 まるで、Jリーグとは逆のような戦いぶりになっていたね。Jリーグでは、散々攻めに出ても点が取れなくて逆襲を食らって失点を重ねる試合が多いけど、今回はその逆に相手が来てくれて、守ってカウンターから勝負を決める得点が入った。レッズって本当に強いのかな? まあ、そんな議論はともかく、第2戦では2点リードという立場をうまく利用して戦えたということだ。

 ただ、決勝戦の初戦はGKの西川が累積警告で出場停止になってしまった。第1戦はアウェーでの戦いだけに、経験豊富な彼が不在なのはマイナスポイントだね。なんとか敵地での戦いを凌いで再びアジアチャンピオンの座を手に入れて欲しいものだよ。
 

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