【番記者通信】バルサとの差を埋め、笑顔で迎えるクラシコ|R・マドリー

2014年03月18日 パブロ・ポロ

アンチェロッティはこれからタイトルという装飾を。

25節で首位に立ったマドリーは、残り10節でバルサに勝点4差をつけている。3月23日のホームでのクラシコに勝てば、2年ぶりの覇権がグッと近づく。 (C) Getty Images

 マドリードには笑顔があり、バルセロナには涙がある――。

 両チームの明暗は、いま、はっきりと分かれている。時の流れを感じずにはいられない。これまでは、バルサの時代だった。結果でも内容でもレアル・マドリーを圧倒したこの数年間、マドリディスタは悔し涙を流すしかなかった。勝利を謳歌したそんなバルサの黄金期も、ペップ・グアルディオラの退任とともに終焉を迎えることとなった。

 同様のことは、過去にマドリーも経験している。最近では、ビセンテ・デル・ボスケによる栄光の時代と、その退任による退勢だ。デル・ボスケは生え抜きのクラブOBで、その点でもまさにグアルディオラと共通している。デル・ボスケが去ってから、サンチャゴ・ベルナベウのベンチはまさに日替わり状態で、新たな監督が来ては去っていった。銀河系軍団を築いたフロレンティーノ・ペレス会長もやがてクラブを後にし(注:09年に会長に返り咲く)、そこから栄冠を取り戻すには時間がかかった。

 現在、マドリーはリーガ・エスパニョーラで首位に立っている。昨シーズンは一度もなく、実に2年ぶりのことだ。

 一方でバルサは悲惨な状態となっている。ピッチ外で相次いだゴタゴタが、ピッチ内に悪影響を及ぼした。サンドロ・ロセイ会長の辞任、ネイマール獲得にまつわる黒い噂、モチベーションを欠いた複数の選手たち、ヘラルド・マルティーノ監督はロッカールームをまとめきれず、バルサという船は沈みつつある。復活を期するのは、今度はバルサの番だ。

 マドリーは現在最高の時を過ごしており、カルロ・アンチェロッティ監督は縮まりつつあったバルサとの差を完全に埋めた。これからはグアルディオラのバルサがやったように、タイトルという装飾を施していくだけだ。

【記者】
Pablo POLO|MARCA
パブロ・ポロ/マルカ
スペイン最大のスポーツ紙『マルカ』でレアル・マドリー番を務める敏腕記者。フランス語を操り、フランスやアフリカ系の選手とも親密な関係を築いている。アトレティコ番の経験もあり、首都の2大クラブに明るい。

【翻訳】
豊福晋
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