金田喜稔がモンゴル戦を斬る!「最大の収穫は伊東純也。マイナスの意味で驚かされたのは…」

2019年10月11日 サッカーダイジェストWeb編集部

緩む時間が全くなかった

3アシストをマークした伊東。果敢な仕掛けで右サイドを蹂躙した。(C)SOCCER DIGEST

 力の差はかなりあったとはいえ、90分間一度も相手に主導権を渡さなかったのは、評価できる。何より選手たちのモチベーションが常に高く、大量リードを奪っても、「これぐらいでいいだろう」と気を緩めることがまったくなかった。

 普通、あれだけ一方的な展開になったら、緩む時間が出てくる。人間だからね。でも、規律と緊張感を失うことなく、パスのスピードや止め方、攻守の切り替え、献身性、どれを取っても抜くようなことが全くなかった。

 これはチーム内の競争が激しいということもあるし、海外組は日頃から厳しいポジションをしているということもある。常に気が抜けないという状況が日常になってるから出来るんだよ。途中から出てきた鎌田、安西、原口の3人にしても、短い時間でアピールしてやろうという意識が伝わってきた。
 
 最も際立っていたのは、22分に先制点を挙げた南野だね。前線には大迫が不在で永井が入ったわけだけど、その影響はまったくなく、トップ下で躍動した。コンディションも良さそうで、攻守に動き回り、多くのシュートシーンに関わっている。チャンピオンズ・リーグでプレーしていることが自信になっているんだと思う。

 大迫、中島、堂安とともにカルテットと呼ばれているけど、南野が先制ゴールを挙げている試合がいちばん多いんじゃないかな。

 伊東純也も素晴らしかったね。これまでは途中出場ばかりで、コンビネーションというよりは個で仕掛けてアピールしようという、意識が強かったと思う。だけど、この試合では、右サイドバックの酒井はもちろん、南野や永井も良く絡んで、チーム全体が伊東を活かそうという姿勢が見られたね。

 とくにクロスの質が抜群だった。あれだけスピードに乗った状態で正確なクロスを上げるのはなかなか難しい。とくに南野へのアシストはレベルが高かった。ベルギーに渡って、強くて巧いディフェンダーと駆け引きするなかで、自信をつけたんだと思う。純也は「最大の収穫」だったね。

 右サイドには堂安も久保もいるわけで、レギュラー争いはますます熾烈になった。
 

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