「一度だけ本気でバルサを去ろうと…」名手メッシを追い詰めた6年前の“苦い記憶”

2019年10月10日 サッカーダイジェストWeb編集部

「バルサでキャリアを終えることはハッキリしている」

怪我で出遅れていたメッシは、日曜日のセビージャ戦でようやく今季初得点を記録。一気にギアをトップに上げ、ラッシュを決め込むか。(C)Getty Images

「かつて一度だけ本気で、バルサを去ろうと決意したときがあった」
 
 スペインのラジオ局『RAC1』でそう明かしたのはほかでもない、バルセロナのアルゼンチン代表FWリオネル・メッシである。
 
 13歳で故郷ロサリオからバルセロナにやって来て以降、19年間に渡ってカタルーニャの雄ひと筋を貫いてきた。そんなメッシが、なぜ愛するクラブを退団しようと決断したのか。
 
 いまから6年前の2013年6月だ。メッシと父親のホルヘさんはスペイン検察庁から脱税容疑で告発された。報じられた脱税額は、2006年から09年までの3年間で400万ユーロ(約5億円)に達していたという。およそ4年の審理を経て、結果的にメッシはスペイン最高裁の判決で懲役21か月を言い渡される。罰金25万2000ユーロ(約3150万円)を支払って、収監は回避された。
 
 当時、スペイン国内での執拗なバッシングに、嫌気がさしたと振り返る。
 
「正直言って、あの当時は心底去ってしまいたいと思っていた。バルサだけでなく、スペインからいなくなってしまいたいと。もう居たくなかった。だから、世界のあらゆるクラブに対してドアを開いていたんだけど、どこからも正式なオファーは届かなかったね。誰もが、僕がここを離れるわけがないと信じ切っていたからだろう。バルサへの想いを超えたところで、本当に厳しい状況下にあった」

 
 そう赤裸々に語ったメッシ。バルサとの現行契約は2021年6月までで、いまだ延長交渉の気配はないが、その点については「なにも進展はないよ」としながらも、近未来の青写真は明確だという。
 
「僕の考えでは、まだまだ何年もここにいる予定だ。ずっとその考えは変わらないし、これからも変わらない。バルサでキャリアを終えることはハッキリしているよ。クラブへの想い、そして家族のことを考えればなおさらさ。僕たちはバルセロナで、本当にハッピーなんだ」
 
 ファンにとっては、分かっていても嬉しい「生涯バルサ宣言」。一方で毎年のようにメガクラブからの強い関心が伝えられ、他のクラブでプレーするメッシの雄姿を観たいという声も少なくないが……。もはや起こり得ない"幻想"なのかもしれない。
 
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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