“青森山田撃破”で環境一変! 北越、「総体8強」の看板を乗り越え…10年ぶりの選手権出場なるか?

2019年10月05日 安藤隆人

夏のインターハイ後は「かなり相手のプレッシャーを感じるようになりました」

今夏のインターハイで8強入りを掴んだ北越。冬の選手権予選へ、強化に余念がない日々を送る。写真:安藤隆人

 今年のインターハイ(高校総体)に12年ぶり3回目の出場を果たした北越は、初戦で新田(愛媛)に快勝すると、そのまま快進撃を続けた。3回戦では青森山田(青森)を相手に1-1からPK戦の末に勝利し、2011年の新潟明訓以来の新潟県勢インターハイベスト8に進出。準々決勝では京都橘に1-2で敗れ、ベスト4進出はならなかったが、高校に入ってから一度も全国大会に出ていなかった選手たちが、真夏の沖縄で大きな爪痕を残した。

 
 だが、沖縄から帰ってくると、プリンスリーグ北信越では丸岡に2-3、カターレ富山U-18に0-1、富山一に1-3、アルビレックス新潟U-18に0-2とまさかの4連敗。プレミアリーグ参入戦進出枠の2位以内の可能性は潰えた。
 
「インターハイが終わってから、非常に難しかった。ハイレベルな相手と真夏の連戦をこなして、やはりあそこまでの緊張感の連続は選手たちにとって初めての経験だったこともあり、精神的にも肉体的にもかなり疲弊していたと思います。夏休みもプリンス再開後も選手たちのプレーを見ていて、彼らが疲弊とプレッシャーの中で戦っているとすごく感じました」
 
 チームを率いる荒瀬陽介監督がこう語ったように、インターハイで受けたダメージと、青森山田を倒しての全国ベスト8という成績は、彼らを取り巻く環境を激変させた。
 
「かなり相手のプレッシャーを感じるようになりました。僕らに対しての気迫がすごく伝わってくるようになりました」
 右サイドバックの土田永遠が語ったように、全国的に大きな看板がついた北越は、周りにとって「必ず倒したい相手」になったのだった。
 
「大会直後の新潟のフェスティバルで、藤枝明誠、盛岡商、久御山など、全国の強豪校の選手たちがウチの選手たちに『青森山田戦ってどうだったの?』と話しかけてくれたり、ウチと対戦する時の力の入れ方も全然違いました。そこでインターハイでの影響の大きさを感じました」(荒瀬監督)
 
 プリンス北信越が再開すると、相手のモチベーションの高さはより強烈なものになっていた。インターハイベスト8という成績で決して浮き足立っているわけではないが、目に見えないプレッシャーが自然とチームの持ち味を奪ってしまっていた。
 
「プリンスで勝てない現実を見つめようと話をしました。普段の練習の雰囲気は決して悪くないし、モチベーション高くやっているのですが、それが結果についてこなかったことで、よりプレッシャーを感じてしまう悪循環に陥っていた。キャプテンのDF藤吉玲依とも話し合ったのですが、チーム立ち上げ時から持っていたチャレンジャー精神をもう一度思い出して、今まで持っていた必死さ、ひたむきさを取り戻そうと確認して、トレーニングをしてきました」(荒瀬監督)
 

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