「史上最低の日々」「いますぐ解任せよ!」ACL浦和戦で完敗の広州恒大をメディアもファンも辛辣批評!

2019年10月04日 サッカーダイジェストWeb編集部

「もはや日本キラーとしての強みも薄れてきている」

一騎当千のタリスカを封じにかかる槙野。浦和は90分間を通じて堅牢をキープした。写真:徳原隆元

 中国スーパーリーグの超名門が、激しいバッシングに晒されている。
 
 水曜日に埼玉スタジアムで行なわれたアジア・チャンピオンズリーグ準決勝、浦和レッズ対広州恒大(中国)の第1レグは、ホームチームの2-0快勝に終わった。終始アグレッシブな姿勢を貫いて効率良く得点を奪い、守っては広州恒大自慢のブラジリアントリオ、パウリーニョ、エウケソン、タリスカを徹底的に封じ込めた。アウェーゴールを許さず、浦和が3週間後の第2レグに向けて大きなアドバンテージを掴んだ。
 
 11試合ぶりの白星を手にして留飲を下げた浦和に対して、広州恒大の周辺は穏やかではない。国内リーグではいまだ首位をキープしているものの、今回の敗戦によって7試合連続勝ち星なし(3分け4敗)となり、これは恒大グループ傘下となった2009年以降のクラブワースト記録。メディアとファンから猛烈な批判を浴びているのだ。
 
 中国全国スポーツ紙『騰訊体育』は、指揮官であるファビオ・カンナバーロの限界を指摘しつつ、次のように酷評している。
 
「浦和の3バックシステムに対して、カンナバーロ監督は同じ布陣(3-4-2-1)を敷いてディフェンシブな戦いを選択した。今季の公式戦で2度しかトライしていない布陣をだ。試合前から及び腰だったと言わざるを得ず、もっとも如実に差が現われたのはウイングバックのポジションだろう。浦和のふたり(関根貴大と橋岡大樹)に、中国人コンビ(ドン・ハンウェンとジャン・リンポン)は好き放題やられた。チームは90分間を通して修正を図れないまま、タイムアップを迎えたのである」
 
 広州恒大はこれまでACLノックアウトラウンドにおいて、Jリーグ勢と7度対峙し、すべてで競り勝ってきた。だが『騰訊体育』紙は「もはや日本キラーとしての強みも薄れてきている」と指摘し、「勝ち切れない試合が増えており、鹿島アントラーズとの試合(ACL準々決勝)でも内容的にはかなり厳しかった」と論じている。

 
 そしてなにより、国内での不振ぶりが深刻だ。全国スポーツ紙『新浪体育』は「広州恒大は史上最低の日々を送っている。カンナバーロ監督の求心力が低下しているのは明らかで、チーム内にも疑心暗鬼が広がっている」と、内部崩壊の可能性を示唆。さらに中国版のSNSではファンやサポーターからの痛烈な意見が相次いでおり、「まるで覇気が感じられない」「もはや過去の栄光か!」「カンナバーロはいますぐ解任せよ!」など、中国ナンバー1の人気を誇るクラブの沽券が内外で揺らいでいる。
 
 とはいえこうした修羅場を潜り抜けてきたのもまた、広州恒大というビッグクラブだ。最終的に逆境を跳ね返して、国内リーグとACLの2冠を奪取してもおかしくはない。あくまでも第2レグに向けて、浦和は手綱を締めなおして臨む必要があるだろう。
 
構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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