いま森保ジャパンで試したい国内組プレーヤー。ポスト大迫勇也、手薄なボランチに新たな人材は?

2019年10月01日 加部 究

最近数年間を見て最も成長曲線が上向いているのがオナイウ阿道だ

国内では出色のパフォーマンスを見せる選手たち。左上から時計回りで、古橋亨梧(神戸)、オナイウ阿道(大分)、山口蛍(神戸)、田中碧(川崎)。写真:サッカーダイジェスト

 もし森保一監督が、ワールドカップ2次予選もすべてベストメンバーを貫くつもりなら、そこに食い込んでいけるJリーガーは少ない。だが反面、中島翔哉、堂安律、久保建英など若い中心メンバーが新天地で新シーズンを迎えていることを考えれば、今から欧州組を招集し続けるのが得策とは思えない。むしろ10月は東アジア選手権を睨みながら、国内組中心のメンバー編成を確認しておくべきタイミングだろう。


 まず何より喫緊のテーマが、長年の懸案でもあるポスト大迫勇也。これまで森保監督は永井謙佑、鈴木武蔵などのスピードスターを起用し、特に永井は結果を出したが、出来れば後継者は年下から発掘したい。そこで最近数年間を見て最も成長曲線が上向いているのがオナイウ阿道だ。身体をぶつけてボールをキープしたり、トリッキーな解決策を探し出したりするのが得意で、周りを活かすのも上手い。J2の山口から、今年はJ1の大分と、それなりに高め設定のハードルが用意されたのに、難なく飛び越えて結果に繋げている。
 
 伸び盛りの今だからこそ、積極的にハイレベルの環境で経験させれば、数年後には大化けの可能性がある。また申し分のない環境を味方に、伸び伸びと力を発揮しているのが古橋享悟だ。もちろん大迫と同タイプではないし、スペースへ流れチャンスメイクの方に特性があるので2トップで本領を発揮するが、とにかくイニエスタ、ビジャら格好の手本と一緒にプレーし、最高級のパスが来るため間違いなく自信を深めている。今、多くの選手たちは、自分を向上させるために欧州を目指すが、古橋の場合は日本に居ながら環境が追いかけて来た幸運なパターン。周囲が極上のお膳立をしてくれるので、古橋自身も得意なプレーで迷いなく勝負が出来ている。

 一方CFではないが、アタッカーとして、今最も旬なのが仲川輝人。チーム事情もあり、時には1トップも務めているが、真骨頂はポジションを変えながらスピードに乗ってボールを運んだり、飛び出していくシーン。2列目は層が厚いし、定着するには少なくとも同タイプの伊東純也を超えて行く必要があるが、チャンスを与えてみても良いタイミングだと思う。
 

次ページ本来なら今こそ酒井高徳が活躍するタイミングだが…

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