J1優勝レースに伏兵あらわる!! リーグ5連勝と波に乗るセレッソを無視できない理由

2019年09月29日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

G大阪戦で好印象だったのは、守備面

G大阪とのダービーマッチを制し、リーグ5連勝。絶好調のC大阪が破竹の勢いで上位に迫っている。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ27節]C大阪3-1G大阪/9月28日/ヤンマースタジアム長居

 セレッソ大阪は9月27日のガンバ大阪との大阪ダービーを3-1で制して、宿敵を相手に7年半ぶりの白星を挙げた。

 この勝利でリーグ5連勝と、目下絶好調。4位にまで浮上し、来季ACL出場権獲得圏(3位以上)を目前に捉えている。

 条件次第では4位でも可能性は残るが(※鹿島がリーグ2位もしくは3位に入り、かつ天皇杯で優勝した場合など)、それどころか大胆な予想をすれば、優勝争いに割って入る可能性だって十分にある。

 その理由のひとつが、白星を積めている要因が単なる勢いだけでないということだ。
 
 今季から指揮を執るロティーナ監督の下で、的確なポジショニングを取ってリスクマネジメントを徹底する、いわゆるポジショナルプレーを実践。難度は高いが、攻守に渡って堅実な戦いで、着実に勝利を挙げている。

 なかなか勝点を積めず8節終了時には14位と低迷していた開幕当初から、4位にまで浮上したのは、ロティーナ監督の戦術が確実に浸透しているからに他ならない。失点数がFC東京と並んでリーグ最少(21点)ということからも、その浸透ぶりと堅さが見て取れるだろう。

 まさにG大阪とのダービーマッチは、その堅実な守備がハマった。3得点を奪ったカウンターとセットプレーを主体にした攻撃も見事だったが、むしろ好印象だったのは、相手に決定機をほとんど作らせなかったディフェンス面だ。

 選手それぞれが自分の持ち場を離れず、冷静に相手に対応。宇佐美貴史、渡邉千真、マルケル・スサエタ、倉田秋といった強力なアタッカー陣にイメージ通りの攻撃をさせなかったのは、食いつき過ぎず、離れ過ぎない絶妙なマークを厳守したからだ。

 一瞬の隙を突かれて1失点した後半アディショナルタイムの場面以外には、ほとんど相手に決定機を与えず、パトリック、アデミウソンらを投入して攻勢を強める相手にも、決して焦った姿は見せなかった。

 ボランチの藤田直之は「守備の距離感が良かったので、そんなに突破されるシーンはなかった。もちろん相手もうまいので、狭い局面を個人技でかわすところはあっても、最後の最後にフリーでシュートを打たせることはなかった」と言う。まさに狙いどおりに試合を運べていたということだ。
 

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