【セルジオ越後の天国と地獄】ガンバの勢いには目を見張るものがあるけど、他のチームも情けない

2014年12月04日 週刊サッカーダイジェスト編集部

優勝への流れはどう考えてもガンバに向いている。

1試合を残して首位に立ったG大阪。宇佐美も復調して、逆転優勝、三冠に向けて、万全の体制が整った。 (C) SOCCER DIGEST

 今年のJ1も残すところあと1試合。優勝争いは今季もまた最終節までもつれ込んだね。
 
 サガンのホームに乗り込んだ首位のレッズは、先制しながら終了間際に同点に追いつかれ、『勝点2』を逃した。2位のガンバはホームでヴィッセルを3-1で下し、勝点3を積み上げた。これで両チームとも勝点62で並び、得失点差で上回るガンバが今季初の首位に立ち、一時は独走態勢だったレッズは首位の座を明け渡すことになった。
 
 流れはどう考えてもガンバに傾いている。ナビスコカップを制し、天皇杯でも決勝に進出。現実味を帯びてきた三冠達成という目標が、彼らのモチベーションをより一層高めているように感じるよ。
 
 興味深かったのは、11月26日の水曜日に行なわれたエスパルスとの天皇杯準決勝だ。32節のレッズ戦から中3日、33節のヴィッセル戦まで中2日しかないこの一戦で、ガンバの長谷川監督はベストメンバーを送り出した。その選手起用は、残留争いをしている対戦相手のエスパルスが主力を休ませて控え組を送り込んだのとは実に対照的だった。
 
 結果としてガンバはエスパルスに5-2で大勝。しばらくの間、得点から見放されていた宇佐美にもゴールが生まれた。これで吹っ切れたんだろう。宇佐美はヴィッセル戦でも2ゴールを決めた。選手の疲労を考慮するより、勢いや流れを重視した選手起用は三冠が懸かっていたからこそのものだったと思うけど、エスパルス戦とヴィッセル戦の結果を見る限り、それが見事にハマったね。
 
 パトリックと宇佐美の2トップのキレが際立ち、遠藤と今野のベテランふたりのプレーも安定。米倉、阿部、大森といった若い選手たちも独り立ちしたことを証明する働きを見せている。さらに、32節のレッズ戦で見られたように、佐藤、リンス、倉田といった控え組の貢献度も高い。途中出場の選手が活躍するとチームは勢いづく。今のガンバは雰囲気が良いのが手に取るように分かる。

次ページ大型補強の割には選手層の薄いレッズ。

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