【FC東京】ショックどころか、記者団の笑いを誘った長谷川監督。「アウェーで0-2もトータルは…」

2019年09月15日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

CBの渡辺に課題を突きつけながらも…

鹿島に敗れはしたが、決してネガティブな表情をしていなかった長谷川監督。写真:徳原隆元

 アウェーに乗り込んでの鹿島戦は0-2の敗戦。開始2分にCBの渡辺がついていたはずのブエノにヘッドを叩き込まれ、78分にはセルジーニョに豪快なミドルを決められて完封負けを喫してしまった。鹿島の勝負強さが光ったゲーム。それは、FC東京の長谷川監督のコメントからも分かる。

「鹿島らしい試合をされて、負けてしまった。悔しい結果です。たくさんのファン・サポーターの声援に応えたい想いがあるなか、後半は決定機を何回か作れました。ひとつでも決まっていればまた違う展開に持ち込めたかなと思いますが、その一発をなかなか決め切れなかった」

 ただ、敗戦を受け入れた長谷川監督も決して暗い表情をしていなかった。それどころか、今季の鹿島とのホームゲームは3-1で勝ったことを用いて"負けていない事実"をアピールし、記者団の笑いを誘った。

「(今季の2試合)通算で1勝1敗。ホームでは3-1で勝っているので、ここで0-2だとしてもトータルは3-3。アウェーゴールとかはないので、イーブンかなと。上位チームとはイーブンで十分だと思っています」

 失点に絡んだ渡辺について「こういう試合で経験不足が出てしまった」とコメントした長谷川監督も「これも(渡辺)剛の糧になってくれれば」と励ましており、ネガティブな感情は一切表に出さなかった。
 
 ホームで川崎に0-3と完敗した時も、長谷川監督はこうコメントした。

「我々は正々堂々と戦って散った。今日勝てなかったのは力が足りないということ。ただ、ここまで積み上げた勝点はフロックではない。残り15試合が勝負。もう(川崎との)直接対決はないですが、一戦一戦、戦っていきたい」

 この敗戦を引きずるな──。そうしたメッセージが川崎戦後と同じように、鹿島戦のコメントからも感じ取れた。鹿島に敗れながらも「イーブンで十分」と前向きに捉えるあたりは巧みである。

 鹿島との勝点差は1になった。しかしだからといって、首位はキープしている。悲観的になる必要はないだろう。

「ここから一戦一戦難しい試合が続くと思いますが、(次の)松本戦(9月29日)に向けて準備していきたい」

 川崎戦後に復調させたようなマネジメントを、長谷川監督は再び発揮できるか。ある意味、真価が問われるのはここからだろう。

取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)
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