「日本が世界でトップに立てないはずはない」JFA名誉総裁、高円宮妃殿下から溢れ出す"サッカー愛と熱”

2019年09月11日 サッカーダイジェストWeb編集部

「お三方のお名前を聞いたとき、ショッキングでした…」

長きに渡って日本サッカーを見守ってきた高円宮妃久子さま。先日の殿堂掲額式でもウィットに富んだスピーチを披露した。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 およそ17年間の長きに渡って日本サッカー協会の名誉総裁を務めていらっしゃるのが、高円宮妃久子さまだ。

 2002年に夫である憲仁親王が逝去され、JFAの現職を引き継がれた。それまでもあしげく国内サッカーのイベントに通われていたが、名誉総裁就任後はさらにその頻度が高まり、いまやサッカーファンの間でもお馴染みの人物だろう。

 日本代表戦や国内の大一番でよくお見掛けする妃殿下だが、普段はあまりお言葉を聞くチャンスがないだけに、どのような"サッカー観"をお持ちなのかはあまり伝わってこない。そこで今回は、火曜日にJFAハウスで開催された「第16回日本サッカー殿堂・掲額式典」の壇上で行なわれたスピーチを、抜粋して紹介しよう。

 妃殿下がどれだけサッカーに対して造詣が深く、熱い想いを持っているのか。そして場を和ませるユーモアのセンスを持ち合わせているのかがよく分かる。ペーパーなどいっさい見ることなく一気に語りかけた。登壇した人物のなかで、もっとも会場の笑いを誘っていたのもまた、久子さまだった。

 今年度の掲額者は3名。ともに元日本代表監督の西野朗氏、岡田武史氏、そして元なでしこジャパン監督の佐々木則夫氏である。以下が、レジェンド指揮官トリオ氏に向けた妃殿下のメッセージだ。

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「日本サッカー殿堂掲額式典に際し、皆さまとご一緒できますことを大変嬉しく思います。西野さん、本日はいらっしゃいませんけども、岡田さん、そして佐々木さんおめでとうございます。ご家族の皆さまも誠におめでとうございます。今回は、お三方とも日本代表の、またなでしこの代表監督でいらっしゃいました。

 クラブチームの監督を務めるのと違って、いろいろなクラブチームで活躍している、個々の力としては優秀な選手を集めて、そこからどういうチームを構成していくか。いつもわたしは代表監督の頭の中、頭脳を拝見させていただけたらどんなものかなと考えております。

 
 たくさんある戦略のなかから、どういう戦略を立てていくか、選手を活かすためにどういうふうに叱咤激励していくのか、限られた時間のなかで相手チームを分析しながら、どうやって戦っていくのか。決断力というのも、プレッシャーというのも、その責任を負わないといけないというのも、大変なものだと思っております。

 今回、最初にお三方のお名前を聞いたときに、じゃっかんショッキングでした。いままでの掲額式典では、わたくしよりも年上の方がとってらっしゃったものですから、お三方ともわたくしよりも年下で、同じ時代のつもりではあるものの、掲額されるというのはやはり"レジェンドの世界"。岡田さんは監督としては現役を退かれたということになるんだと思いますけれども、佐々木さんも監督、西野さんも監督で現役。わたくしもまだ現役のつもりなのに、もう掲額されてしまうんだというショックも受けたのですが、みんな一緒に歳とってきた、ということなんだとも思います。

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