残り1枚のJ1行きチケットをめぐる戦い――「磐田vs山形」を4つのポイントから展望

2014年11月29日 サッカーダイジェストWeb編集部

「一番勢いがない」磐田と天皇杯決勝進出で盛り上がる山形。

一発勝負の戦いでは何事も起こり得、予想は極めて難しい。写真右は山田(山形)、左は前田(磐田)。 (C) SOCCER DIGEST

 J2は全日程を終了したが、今週末からは1枚のJ1行きのチケットをめぐる最後の戦い、J1昇格プレーオフが幕を開ける。
 
 11月30日にはまず、ヤマハスタジアム(13時開始)でジュビロ磐田とモンテディオ山形が激突。磐田はホームゲームというだけでなく、引き分けなら勝ち上がりという有利点も有するが、一発勝負では何が起こるか分からない。
 
 この一戦を制して、12月7日にジェフ千葉との決勝戦に臨むのはどちらか。両チームの現状と試合でのポイントを紹介しよう。
 
磐田レポート:週刊サッカーダイジェスト
山形レポート:頼野 亜唯子
 
――◆――◆――

POINT 1
「決戦」に向かうチームの状態、雰囲気は?

 
【磐田】
 リーグ最終戦の札幌戦は、前半にFKから先制され、終了間際のパワープレーからの得点でなんとかドローに持ち込んだ。
 
3位確保のためには負けられないはずの試合で、ビハインドの状況でも前の人数が少なく、シュートの精度も欠いた。
 
 結局4位でプレーオフ準決勝を戦うことになったが、さすがにトレーニングでは、張り詰めた雰囲気が漂っていた。「3チームのなかで、うちが一番、勢いがない」とは名波監督。危機感を力に変えて、山形との決戦に臨む。
 
【山形】
 J2最終節は、東京Vに敗れて終わった。7位の大分が敗れたことで辛くもプレーオフ出場権を獲得したが、嫌なムードでプレーオフに突入する可能性もあった。
 
 しかし26日の天皇杯準決勝で、千葉に殊勲の勝利。クラブ史上初の決勝進出で、チームは大いに盛り上がっている。
 
 もっとも、その千葉戦でもミスから失点するなど反省点は少なくなかったが、それがかえって選手たちの気持ちを引き締めている。サブメンバーも「みんなギラギラしている」(萬代)山形。総力体制で、決戦を戦い抜く。


POINT 2 
怪我人や出場停止などの懸念材料は?
 
【磐田】
 CBの森下が札幌戦で負傷し、全治3週間。このところレギュラーを張っていた森下の欠場により、メンバー構成でやりくりの必要性が生じた。
 
 ボランチの藤田がポジションを下げてCBに入るだろうが、代わりに誰をボランチに起用するかが悩ましいところ。紅白戦を見る限りでは、ボールハント能力に長けた田中が有力のようだ。
 
【山形】
 天皇杯準決勝にベストメンバーで臨んだ山形。水曜日に大阪・長居でナイトゲームを戦い、木曜日に山形へ戻って、土曜日にはまたアウェーの地へ移動……。
 
 1週間の準備期間があった磐田に比べ、コンディション上の不利は否めない。山形のサッカーは運動量が生命線なだけに、この点は少なからず懸念される。


【SD写真館】J1昇格プレーオフ――激闘の記憶

次ページ山形のプレッシングに磐田がいかに対応するかが勝負の鍵を握る。

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