「飛行機の中でもインテル残留を…」イカルディ、パリSG電撃移籍の知られざる舞台裏

2019年09月04日 サッカーダイジェストWeb編集部

「すべてに感謝」

能力は高く評価されながらも、代理人であり妻のワンダ・ナラとのお騒がせぶりに悪評が絶えない。 (C) Getty Images

「すべてに感謝。また会おう」

 インテルからパリ・サンジェルマンにレンタル移籍したアルゼンチン代表FWマウロ・イカルディは、正式発表から一夜明けた現地時間9月3日、SNSで古巣のサポーターにこう別れを告げた。

 その投稿には、2013年の加入から219試合に出場し、124得点・39アシストを記録したことも添えられていた。同クラブで6シーズンにわたって活躍し、キャプテンマークまで巻いた男のプライドが感じられる。

 イタリア・メディア『Sport Mediaset』などの報道によると、イカルディは戦力外を言い渡され、クラブと対立しながらも、ギリギリまでインテル残留を望んでいたようだ。

 しかし、その状況はメルカートが閉じる前日に大きく動く。妻で代理人のワンダ・ナラは9月1日深夜0時40分、出演していたテレビ番組『Tiki Taka』のスタジオを飛び出した。パリSGとの取引が動いたと知らせが入ったからだ。

 移籍を成立させるうえで、もっとも難航したのが、自宅での夫イカルディの説得だったという。クラブ内で孤立し、暴走したファンから横断幕で脅されたにもかかわらず、イカルディのファーストチョイスは「残留」の二文字だったというのだ。

 明け方4時まで話し合ったイカルディ夫妻は、いずれにしてもパリに向かうことだけを決めて眠りについたとのこと。そしてマーケット最終日の2日、ミラノの空港から出発してもなお、イカルディはまだ移籍を決断していなかったという。

 だが、花の都に降り立ち、パリSGのレオナルドSDから条件を提示されたイカルディは、妻のワンダが強く望んだこともあり、最終的に移籍を受け入れた。そのままメディカルチェックを受け、契約書にサインするに至ったそうだ。

 ただ、今回決定したのは、買取オプション付きのレンタル移籍だ。1年後にパリSGが買い取らなければ、イカルディは再びインテルに戻ることになる。イカルディがインテルのサポーターへ「また会おう」という言葉を使ったのも、そのためだろう。

 ワンダ・ナラは3日、ツイッターに子どもたちとの写真を投稿。「学校初日。この子たちが私の幸せ」とつぶやいた。家族はミラノでの生活を続けるということかもしれない。その場合、単身赴任となるイカルディが、来年夏にインテルに戻ってくるという可能性は低くなさそうだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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