サラゴサ、VARによる土壇場のPK弾で劇的勝利! 3戦連続スタメンの香川真司はパスの精度を欠いて――

2019年08月31日 サッカーダイジェストWeb編集部

相手守備陣にペースを乱されたサラゴサ

周囲をサポートしながら攻撃面で奔走し続けた香川だったが、前節のようなパフォーマンスは見せられなかった。 (C) Rafa HUERTA

 現地時間8月30日、ラ・リーガ2部の第3節が行なわれ、レアル・サラゴサは本拠地でエルチェを迎え撃った。

 前節のポンフェラディーナ戦で待望のスペインでの初ゴールを決め、注目度が俄然高まっているサラゴサの香川真司は、この日も4-3-1-2のトップ下で先発出場した。

 29日に骨肉腫のためにこの世を去った元スペイン代表監督のルイス・エンリケの愛娘シャナさんへの黙とうが捧げられたなかで始まった試合は、キックオフ直後の1分と2分にスアレスが立て続けにビッグチャンスを迎えたサラゴサが、昇格組のポンフェラディーナに苦戦を強いられた前節とは打って変わって、アグレッシブなサッカーを展開する。

 チームが中盤を省略して最前線へロングボールをつけるような攻撃を選択するなかで香川は2トップに近い位置に立ってサポート役に奔走。しかし、敵陣でボールを引き出せずにチャンスを呼び込めない時間が続いた。

 その後、エルチェの反撃は危なげなく退けたサラゴサだったが、勢いがあったはずの攻撃も、局面で肉弾戦を演じる相手守備陣にペースを乱され、徐々にトーンダウン……。結局、前半はスコアレスで折り返した。

 迎えた後半も主導権を握ったのはサラゴサだった。

 中央を締める相手守備陣に対して両ワイドを使った攻めを展開したホームチーム。そのなかで香川は、前半以上にボールサイドに寄って、積極的にプレーに関与する。しかし、相手のタイトなプレスをかわしきれずにパスの精度を欠くシーンが目立った。

 攻め続けるサラゴサは60分にカウンターから3対1の好機を迎えたが、起点となったスアレスがトラップミスをしてボールが伸びたところを相手DFに食い止められてしまう。これには香川も両手をあげるジャスチャーで不満をあらわにした。

 アタッキングサードから先の崩し方を見出せないホームチームは、71分にやや運動量が落ちかけていた香川を下げ、攻撃的MFのパプナシュビリを投入。停滞気味の攻撃にテコ入れを施したが、ゴール前に立ちふさがる相手の分厚い守備ブロックを打ち崩す術を見出せずに時間を浪費していった。

 少しずつ疲労の色が両軍に見始めた試合終盤。サラゴサにドラマが待っていた。

 87分、スアレスが敵エリア内で倒される。このプレーが一度は見逃されるもVAR判定の末にPKへと覆り、これを背番号26が自ら決めて、待望の先制ゴールをもぎとったのだ。

 結局、これが決勝点となって試合は1-0でサラゴサが勝利。エルチェに最後まで攻め手を欠き続ける課題は残したものの、土壇場で勝点3を手中に収め、現地時間9月8日に行なわれる第4節のアルコルコン戦へ弾みをつけた。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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