「プレッシャーを楽しんでさえいる」マジョルカCEOが明かす、久保建英のキャラと獲得の真相

2019年08月28日 サッカーダイジェストWeb編集部

「バルサ時代からクラブは動向を追っていた」

日曜日のバレンシア戦でプリメーラ・デビューを果たすか。マジョルカ・サポーターも熱い期待を寄せる。(C)Getty Images

 いよいよ今週末、久保建英はラ・リーガ1部デビューを華々しく飾るか。レアル・マドリーからマジョルケへのレンタル移籍が決まって1週間、地元のフィーバーぶりはいまだ衰えを知らない。
 
 そんななか、クラブのCEOであるマヘタ・モランゴ氏が全国紙『AS』の取材に応え、日本代表FWの獲得に至った経緯を初めて明かした。何年も前から、虎視眈々とチャンスを窺っていたようだ。
 
 37歳のスイス人は、次のように語っている。
 
「クボとの契約は、言うなれば出産のようなものだ。ずっと機が熟するのを待って、ようやく待望の瞬間が訪れた、そう表現しても差し支えないだろう。彼がバルセロナのカンテラ所属だった頃から、マジョルカはずっと動向を追っていたし、今年の3月にも獲得に動いたほどだ。マドリーの海外遠征のパフォーマンスももちろんつぶさにチェックしていて、チーム内におけるクボの複雑な立ち位置を理解した。それが実力うんぬんではない、枠の問題であることをね。いくつか選択肢はあっただろうが、彼が我々を選んでくれた理由のひとつは、セルヒオ・バジェシージョの存在が大きかったかもしれない。バルサで彼を指導していた名コーチが、この夏からマジョルカの強化責任者になった。我々はクボに対する関心と造詣をよりいっそう深めることになったんだ」
 
 若きCEOはマドリーとの関係が良好であった点も、交渉をスムーズに進める要因だったと話す。今夏にマジョルカはマドリーからMFアレックス・フェバスを完全移籍で獲得。「クボの場合も同じルートを活用することができた」と振り返る。

 
 そしてモランゴ氏は、久保にとってマジョルカは最適の"スタート地点"だと強調する。
 
「プリメーラ(1部)を初めて戦う若手にしてみれば、マジョルカは最適な環境ではないだろうか。ほかにも若手が多いぶん、チームスタッフは細やかに選手たちをケアする。じっくりとチャンスを与えて適応させながら、成長を促すんだ。天気も抜群に良くて快適だしね! クボのような外国籍選手は昔からすごく多いし、地元メディアは厳しい目を向けながらも温かく、それはサポーターも同様だ。そしてなによりマジョルカは、堅実に前に進むクラブ。きっと(久保も)実感してくれると信じているよ」

次ページ「立ち居振る舞いは、とうてい18歳のそれとは思えない」

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事