【移籍市場超速報】チェルチにラメラ…マンチーニの望みは叶うのか

2014年11月19日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

トヒル会長が財布の紐を緩めるかは未知数。

マンチーニの志向はウイングをワイドに配したサッカー。1月の移籍市場ではサイドアタッカーの補強を望むが……。 (C) Getty Images

【インテル】1月のメルカートでサイドアタッカーの補強を望む
 
 ロベルト・マンチーニ新監督は、ワルテル・マッザーリ前監督の3-5-2から4-3-1-2にシステムを変更して初陣のミラノ・ダービー(11月23日)に臨もうとしている。
 
 本来的なマンチーニの志向は、左右に攻撃的なウイングを配しピッチをワイドに使うサッカー。そのため1月のメルカート(移籍マーケット)では、サイドアタッカーの補強を望んでいる。候補に上がっているのは、イタリア代表アレッシオ・チェルチ(アトレティコ・マドリー)とアルゼンチン代表エリク・ラメラ(トッテナム)。
 
 しかし、A・マドリー、トッテナムともに、インテルが望むレンタルでの放出に応じる意向はなく、チェルチは1500万ユーロ(約21億円)、ラメラは2000万ユーロ(約28億円)以上での完全移籍が唯一の可能性だ。
 
 インテルはすでにUEFAからファイナンシャル・フェアプレー規定違反(支出超過)で審査を受けている立場にあり、メルカートにそれだけの予算を投じるのは難しそう。マンチーニ監督に希望があるとすれば、ここから年内勝ち星を積み重ねてチャンピオンズ・リーグ(CL)出場権を射程内に収めるところまで順位を回復し、冬に補強すれば来シーズンのCL出場(=収入大幅増)の可能性が高まると、エリック・トヒル会長に思わせること。
 
 もっとも、そうなったとしても財布の紐がどこまで緩むかは未知数だけに、ピエロ・アウジリオSDはより現実的なターゲットについても掘り下げる必要があるだろう。
 
【レバークーゼン】イェドバイの完全移籍に向けてローマと交渉開始
 
 ローマからのレンタル移籍で、今シーズンここまで9試合・2得点と期待を上回る活躍を見せている19歳のクロアチア代表DFティン・イェドバイ。ルディ・フェラーSDはこのまま保有権を買い取って完全移籍を実現させるべく、自身にとって古巣でもあるローマとの話し合いに入った模様だ。
 
【翻訳】
片野道郎
 
翻訳者からのごあいさつ
 イタリアのスポーツ専門局『SkySport』を舞台に活躍するジャンルカ・ディ・マルツィオは、移籍専門記者という新たなジャンルを独力で切り開いた草分けにして、他をまったく寄せ付けないトップランナーです。
 
 イタリア国内ではすでに数年前から超メジャーな存在でしたが、2013年1月にジョゼップ・グアルディオラ監督のバイエルン入りという大スクープをものにして、一躍ヨーロッパ中でその名を知られるようになりました。その後も、ウィリアン(当時シャフタール・ドネツク)がトッテナムからチェルシーに寝返った顛末など、イタリアにいながらワールドワイドな移籍情報をいくつもスクープしています。
 
 セリエAから下部リーグまで各クラブの会長やスポーツディレクターはもちろん、代理人からスカウトまで膨大な関係者と緊密なネットワークを持ち(iPhoneのアドレス帳には3000人以上のコンタクトが入っています)、他の記者には絶対入手できないディープな情報をキャッチ。素晴らしいのは、しっかり裏が取れるまでは決して情報を出さないところです。
 
 ご存じの通り、世界中を飛び交っている移籍関連ニュースの大半は、誰かの願望や思惑に基づくただの噂でありそれ以上ではありませんが、ディ・マルツィオが発信するニュースは、すべて彼自身のプライドがかかったガチネタであり、ハズレはほぼ皆無と言っても過言ではありません。移籍ネタに関しては、どんなにありそうな話でもディ・マルツィオが書くまでは嘘か本当かわからない、どんなにあり得ない話でもディ・マルツィオが書いたら本当、というのが、もはやこの業界の常識になっているくらいです。
 
 ツイッターのフォロワーは全世界で約30万人。日本では13年7月から『ワールドサッカーダイジェスト』誌に連載コラムを寄稿しています。一度、この連載を休載した時には、日本のフォロワーからいくつも問い合わせのリプライが飛んで来たほどの人気です。
 
 そんなディ・マルツィオのオフィシャルサイト『gianlucadimarzio.com』から、移籍関連を中心とする最新ニュースを毎日厳選してお伝えするのがこのコーナー。サプライズはあっても「ガセ」はありませんから、安心してお読みください。(片野道郎)
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