【FC東京|仙台戦】昨季までなら勝てそうにない試合をなぜモノにできたのか。森重の見解は?

2019年08月11日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

森重が「まったく問題ない」と称賛したDFは?

鉄壁の守備でFC東京の最終ラインを支えた森重。仙台のハモン・ロペスにもほとんど仕事をさせなかった。写真:サッカーダイジェスト

 「難しい試合だった」
 
 仙台戦後、長谷川健太監督がそうコメントしたとおり、FC東京は苦戦した。流れの中から決定機を作れず、ディエゴ・オリヴェイラのPKによる1点で競り勝った。
 
 昨季までのFC東京なら勝てなそうな試合を、今季はことごとくモノにしている印象だ。「勝てそうにないな」から「勝ちそう」という雰囲気に変わったのはなぜか。試合後のミックスゾーンで、最終ラインの要である森重真人にそう質問すると、次のような答が返ってきた。
 
「いろいろあるとは思いますが、ひとつ挙げれば流れを皆で読むことができている。局面局面で何をすべきかの判断が正確にできているとも言えるでしょう。あえてセーブするところ、ギアを上げるところとか、ポイント、ポイントで皆がしっかりやるべきことをやっているのが大きいかなと思います。悪い流れのままズルズル行きそうな時も、皆で修正できていますし、(今季のチームには)読む力があります」
 
 久保建英やチャン・ヒョンス移籍後も首位をキープできている要因のひとつは、GKの林彰洋、CBの森重、ボランチの橋本拳人、サイドハーフの東慶悟、FWのD・オリヴェイラと主軸5人が揃って大きな怪我もなく、22節まで常時スタメンに名を連ねているからだろう。チームの根幹がしっかりしているので、苦しい局面では立ち返られる場所(戦術で言えばファストブレイク)に戻れる。これは試合の主導権を握るうえで重要なファクターになり得る。
 
 とりわけ素晴らしいのが守備面で、相手の出方によって、寄せる、引くの判断が上手くできている。C大阪戦に続きこの仙台戦でも左サイドバックで先発起用されたオ・ジェソクはもう何年もFC東京でプレーしているような安定感を披露。森重も「まったく問題ないですね。素晴らしい選手で経験もあるし、今日も攻守において左サイドは安定していた。(チームに合流してから)こんな短期間でフィットするのは凄い」と称賛していた。
 
 最大のライバルと目された川崎がここにきて失速するなか、リーグ3連勝と波に乗るFC東京。この勝負強さを今後も発揮できれば、クラブ史上初のリーグ優勝を成し遂げられるだろう。
 
取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)
 
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