【FC東京×仙台】結果的に決勝点…。PKのやり直しは妥当だったのか

2019年08月11日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

厳密にルールに則れば…

このPKで決めたD・オリヴェイラのゴールが結局は決勝ゴールになった。写真:サッカーダイジェスト

 味の素スタジアムで行なわれたFC東京と仙台の一戦は、前者が1-0で勝利という結果に終わった。4-4-2システム同士のミラーゲームは立ち上がりから互角の展開で双方ともなかなか決定機を作れない、接戦になった。
 
 そんな試合の流れを決定づけたのが、62分にディエゴ・オリヴェイラが蹴り込んだ先制弾。これが決勝ゴールになるのだが、後味の悪さを残したのが"PKのやり直し"だった。
 
 ディエゴ・オリヴェイラの先制点は、永井謙佑がシマオ・マテのファウルを誘って得たPKによるゴール。それも、"蹴り直し"で決めた得点だった。つまり、D・オリヴェイラは最初のPKを失敗しているのである。
 
 お馴染みのダンシングPKでゴールを狙ったD・オリヴェイラだが、仙台のGKヤクブ・スウォヴィクは冷静に正面へと飛んできたボールをキャッチした。しかし、ヤクブ・スウォヴィクがゴールライン上から前に出てしまったいう理由(新ルールの適用により)でやり直しに。
 
 これに納得いかない仙台の選手数人が主審や副審に詰め寄って抗議したように、微妙な判定だった。PKストップで意気上がる局面なのに、やり直しというジャッジをされては仙台の選手たちが納得できないのも頷ける。
 
 試合後、仙台の渡邉晋監督はこうコメントした。
 
「あのPKを与えたのが唯一の隙だったかもしれないですが、そのあとのPKの判定(やり直し)は非常に厳しいかなと思います。厳密にルールに則れば、おそらくPKのやり直し。でも、数十センチ前に出ていたからあれが止められたかといえば……。出ていなくても止めることができた。そういうところまで管理して考えないと。あれがファウルなら、これからもその基準ですべての試合をジャッジしてもらわないとおかしくなるんじゃないかなと思います」
 
 新しいルールに則れば、PKやり直しは妥当だったのだろう。しかし、どこかすっきりしない。なにより残念なのは、ある意味この試合の主役がレフェリーになってしまったことだ。渡邉監督の言うように、GKが数十センチ前に出たことがD・オリヴェイラのミスに影響を及ぼしたとは考えにくい。実際、D・オリヴェイラはPKを失敗したあと、審判に抗議するどころか、悔しさを露わにしていた。
 
 ルールはルールなのかもしれない。ただ……。FC東京が勝ったことに異議を唱えているわけでは決してない。本来なら目立つべきではないレフェリーが目立ってしまったという意味で、残念な試合になってしまったということを主張したいだけである。
 
取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)

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