琉球移籍、小野伸二が振り返った札幌での6シーズン「駐車場にある車を見れば…よく分かる」

2019年08月06日 サッカーダイジェストWeb編集部

いつしか札幌が最も長く在籍したクラブに「素敵な時間を皆と共有できたのはうれしかった」

琉球への移籍が決まった小野。6シーズンを過ごした札幌への想いを語った。

 8月6日。小野伸二のFC琉球移籍がクラブから発表されてから最初の練習には、天才との別れを惜しむ多くのサポーターが集結。ピッチから小野が引き上げると、100人以上がサインを求め、あっという間に大きな人だかりが出来た。

 
「押さなくていいよ、大丈夫だから」
 
 そんな優しい言葉をかけながら、小野はすべての求めに応じる。丁寧にペンを走らせ、笑顔で記念撮影に収まった。
 
「夏休みというのもあって、観光客も含めて多くの方が来てくれた。毎回こうやって多くの方に足を運んでもらえると、チームもよりよくなっていくと思う」と感謝。その後、琉球移籍決断の思い、そして札幌在籍の6シーズンを振り返った。
 
「オファーをいただけたのが、まず嬉しいこと。北から南と遠いところに行くけど、ここに来た時のような気持ちで、チームをより良い方向に持って行く手助けが出来ればいい」
 
 今季J2初挑戦の琉球は現在17位と苦戦中だが、開幕から4連勝を飾るなど個々のポテンシャルは高い。日本トップレベルの経験をピッチ内外で還元することで「沖縄というチーム、県や沖縄のサッカーを盛り上げたい」と、意欲を燃やしている。
 
 札幌は14年6月に小野が加入して以降、16年にJ2優勝。17年には16年ぶりにJ1残留を果たし、昨年はペトロビッチ監督の下、J1でクラブ史上最高の4位に躍進。まさに右肩上がりの成長を遂げた。
 
「まずJ1に上がったところが成長だし、見ての通り駐車場にある車を見ればJ2からJ1に上がったんだな、とすごくよく分かる。僕が来た時には外車がそんなになかったから(笑)。もちろんピッチ上でも、たくさん良いプレーが見れるようになってワクワクして観戦できる状況を多く作れていると思う」
 
 クラブの経営規模も拡大。札幌の選手は北海道の子どもたちに夢を与えられる存在になった。その成功体験を、今度は最南端の地で実現させる。それが、小野が自らに課すミッションだ。
 
 清水商高から浦和レッズに加入し、1998年プロデビュー。フェイエノールトへの移籍、浦和への復帰を経て、ドイツ1部のボーフム、清水エスパルス、Aリーグのウェスタン・シドニー・ワンダラーズと渡り歩いた。そして降り立った北の大地。百戦錬磨の小野だが、いつしか札幌が最も長く在籍したクラブになった。
 
「在籍したプロのチームで一番長くいた場所。チームメート、クラブ、サポーターも北海道の土地柄の良さも感じた。素敵な時間を皆と共有できたのはうれしかった」

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