ハイラインの“申し子”、元横浜GKの飯倉大樹が神戸デビュー戦で感じたリスクとは?

2019年08月03日 白井邦彦

「あそこまでイージーに(裏を取られて)失点してしまうと…」

試合後に神戸の守備面に関する課題を口にした飯倉。デビュー戦で感じた問題点とは? 写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ21節]神戸2-2G大阪/8月2日(金)/ノエスタ
 
 神戸とG大阪の阪神ダービーは、神戸が一時は2点を先行されたものの、イニエスタと増山朝陽のゴールで2−2の引き分けに持ち込んだ。スコア以上に見応えある打ち合いだったが、逆に両チームが抱える守備の課題も浮き彫りになった。

 
 神戸は0−2の状況で、61分に田中順也、66分に増山を投入。システムを4−2−3−1(4−3−3)から4−4−2に変更した。イニエスタをボランチに下げ、ウェリントンと田中の2トップに。両サイドに増山と古橋亨梧という個性の違うドリブラーを配した。カウンターの回数を増やし、ゴールを挙げることが狙い。田中は「相手DFと神戸のFWとの間に距離がある。相手がボールウォッチャーになることもあるので、(くさびのパスを受けて)横に落とすだけでカウンターになる」と話す。
 
 田中が入ってから神戸の攻撃は明らかに変わった。G大阪DF陣は、少し降りてタテパスを受ける田中の曖昧なポジショニングを掴みきれず。球際を厳しく潰しにいくのか、食いつかずに次のアクションに備えるかという判断が中途半端になっていた。そこを神戸はうまく突いた。
 
 だが、田中はG大阪が抱える守備の課題を「神戸も課題は同じ」だと話す。1失点目はまさに課題が出たシーンだった。
 
 8分、G大阪は右ワイドの小野瀬康介から左ワイドの福田湧矢へサイドチェンジし、神戸DFたちはそれを目で追っていた。意識はボールに向いている。その一瞬の隙を矢島慎也と倉田秋に突かれた。倉田が大﨑玲央と初瀬亮の間に走り込む。その動きに反応が遅れた初瀬、背後を取る動きに気がついていない大﨑。その状況を見て矢島がロングフィードし、倉田が先制点につなげた。
 
 この場面で神戸DFのポジショニングは中途半端だった。ラインを思い切って押し上げるのか、引いて相手に背後を狙わせないのか。結果的に守備が後手を踏むことになった。
 
 このシーンを新加入のGK 飯倉大樹は「簡単に裏に蹴られ、倉田選手と1対1になった。それを止めるのが僕の仕事ですが、あそこまでイージーに(裏を取られて)失点してしまうと、それ以降のゲームプランが崩れてしまう。ボールにいくのか、ラインを下げるのか。そういう部分を立て直す必要がある」と話す。
 

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