今夏のラ・リーガ移籍金総額が17年のプレミアを上回る新記録ペースに!その背景にあるのは…

2019年08月02日 サッカーダイジェストWeb編集部

プレミア勢は「穏やかな夏」

いずれも高額な移籍金で加入した(左から)グリエーズマン、アザール、J・フェリックス。3強の補強の目玉だ。(C)Getty Images

 プレミアリーグの移籍市場がクローズするまで1週間を切り、ラ・リーガとの補強への投資額の違いが注目されている。

 英公共放送『BBC』によると、8月1日半ばの時点で、プレミアリーグのクラブが補強に投じたのは、9億2200万ポンド(約1290億8000万円)。これに対し、ラ・リーガのクラブの補強額は10億6000万ポンド(約1484億円)に達している。

 これは、2017年にプレミアリーグが打ち立てた14億ポンド(約1960億円)の記録を上回るペースで、プレミア勢の補強額を上回るのは10年以上ぶりという。

 実際、リーガ勢はレアル・マドリーがエデン・アザール、バルセロナがアントワーヌ・グリエーズマン、アトレティコ・マドリーがジョアン・フェリックスを、それぞれ1億ユーロ(約125億円)以上を投じて獲得している。
 
 一方、プレミア勢は、アーセナルがニコラ・ペペ、マンチェスター・シティがロドリ、トッテナムがタンギ・ヌドンベレにクラブレコードとなるに大金を投じたが、「比較的穏やかな夏」(BBC)だ。

 なぜ、この現象が起きているのだろうか。『デロイト』社の関係者は、昨シーズンのチャンピオンズ・リーグ(CL)とヨーロッパリーグ(EL)のファイナリストをプレミア勢が独占したことの影響を指摘する。

 リーガ勢は2009年から18年までの10年のうち9年で、CLかELの優勝クラブを輩出してきた。ところが、昨季のプレミア勢の躍進が「スペインとイタリアの一部クラブの反応につながった」という。デロイト関係者は「対照的に、プレミア勢の大半は抑え気味のアプローチ」になったと述べた。

 また、別の関係者は、リーガの放映権料の変化に注目した。2019-20シーズンからの新たな放映権契約による収入増の影響だ。BBCによると、リーグ全体の放映権収入には差があるが、バルサやマドリーの最低収入はプレミアのトップ6と大差ないという。

 8日にマーケットが閉まるプレミアに対し、リーガやセリエAは9月2日まで市場が開いている。大型取引の噂も絶えないだけに、リーグごとの補強費にさらなる違いが生まれるのか注目だ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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