【広島】川崎の強力攻撃陣とガチンコ勝負。大卒1年目の荒木隼人が示した驚きのハイパフォーマンス

2019年08月02日 本田健介(サッカーダイジェスト)

後半には決勝弾もゲット

川崎戦で勝利の立役者になった荒木。王者・川崎に対して堂々のプレーを見せた。(C)J.LEAGUE PHOTOS

[J1リーグ16節]広島3-2川崎/7月31日/Eスタ
 
 広島が川崎をホームに迎えた一戦、広島の3バックの中央で一際、力強いパフォーマンスを見せた男がいた。
 
 背番号23、荒木隼人。広島の下部組織出身で、今季、関西大から入団した大卒1年目(昨季は特別指定選手として広島でプレー)の若きDFは、序盤から川崎のエースFW小林悠と激しいマッチアップをこなし、2年前にはJ1得点王に輝いたこのストライカーの動きを制限してみせたのだ。
 
 チームはリーグ王者の川崎を相手に前半で2点のリードを得たが、荒木を中心とした守備陣の功績は非常に大きかった。
 
 荒木は小林と対戦するにあたって、先輩DFから助言を受けていたという。
 
「前日の練習でミズさん(水本裕貴)から小林選手の特長をしっかり教えてもらって、それを頭に入れながらプレーできました。だからそこまでやられたという印象はないですね。ミズさんのアドバイスのお陰です」
 
 上々の前半を終え、迎えた後半には荒木はさらに貴重な仕事をこなす。52分、FKのチャンスで森島司が蹴ったボールは一度、相手DFに撥ね返されたが、それを柴﨑晃誠がゴール方向にヘッドすると、すかさず反応したのが荒木だった。頭でボールの軌道を変え、チームに3点目をもたらしたのだ。プロ初ゴールはすでに奪っていたが、これがホーム、エディオンスタジアム広島での嬉しい初得点。
 
「ここで取れたのは格別でした。このピッチに立つのは一試合一試合、特別ですし、今日は結果的に決勝点を奪えました。スタンドに走っていくところで、改めてここに戻って来たんだなと実感しました」
 
 その言葉には大きな喜びが表われていた。もっとも試合終盤は川崎の猛攻に遭う。75分にはレアンドロ・ダミアンとの華麗なワンツーでゴール前に入って来た小林に目の前で巧みなシュートを決められ、その3分後には、またしても目の前でL・ダミアンにヘッドを突き差された。
 
「1失点目はボールにアタックしましたが、股の下を通されてしまいました。2失点目は僕とキョウヘイくん(吉野恭平)の間でやられてしまいましたし、もっと声をかけるところはかけて、対応したかったです。そこは課題です」と振り返る。
 

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