FWへのコンバートで覚醒した日ノ本学園・古賀花野。「メンバーに入れなかった人たちの分も…」仲間のためにも6度目の制覇を誓う

2019年07月29日 手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)

「たぶん他のチームにはない」田邊監督は守備に自信をのぞかせる

昨年は無冠に終わった日ノ本学園。古賀は仲間の分も優勝を目指して戦う。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 沖縄県で開催されているインターハイ女子の2回戦が各地で行なわれ、優勝候補の日ノ本学園(兵庫)が、暁星国際(千葉)を2-0で下し、ベスト4へ駒を進めた。
 
 ワンタッチのパスで素早く攻め上がり、終始試合のリズムを握った日ノ本学園は、開始7分に、CKのこぼれ球にペナルティーエリア手前で反応したDF小鍜治旭が右足を振り抜き、幸先良く先制した。前半の終了間際にもスルーパスに抜け出したMF平井杏幸がGKとの1対1を冷静に流し込み、2点目。後半は暁星国際に少し押し込まれる場面もあったが、しっかりと無失点で抑えた。
 
 田邊友恵監督は守備の面に関しては、他のチームにはない良さがあると語る。それはチーム全員が守備の意識を共有できている点だ。
 
「どう奪うかがチームとしてはっきりして、行くべきところが分かったので、いままでは単発でひとりひとりが頑張る守備だったんですけど、今はチームとしてここは行かなきゃだよっていうところをみんなで共有できている。自分たちが主導権を持って守備をできるっていうところは、たぶん他のチームにはないんじゃないかなと」
 
 しかし攻撃面では課題を残す。
 
「攻撃はどうしても選手任せになってしまっているので、チームとしてもうちょっと整えなければいけないと思っている。2点とっていて、もう少しボールを握っていきたいんですけど、なかなか完全にそこまでいけていない。あとは本人たちがゲームを通してどれだけ成長するかです」
 
 日ノ本学園には今年からFWとして著しい成長を見せている選手がいる。それはCFの古賀花野だ。彼女はもともとCBやボランチに適性のある選手だったが、去年の選手権前から田邊監督の提案でFWに試されると覚醒。ポストワークに優れ、強烈な右足を誇る点取り屋に成長した。1回戦では2ゴールの活躍でチームに貢献したものの、2回戦では無得点に終わり、なかなか自分の良さが出せなかった。
 
「自分にマークがついていた相手が、自分よりも全然でかい相手で、そういう相手でも身体をうまく使って、キープできる技術はもっとつけないといけないと思う。いつもボールを持ったら自分でどうにかしようという考えがあるんですけど、もっとチームでどうしていくかというのを考えなければいけないと思います」
 
 昨年は無冠に終わり、悔しい思いをした。10番を背負う古賀は、試合に出れないメンバーの為にもインターハイ制覇を誓う。
 
「去年の2年生として、試合に出て、そのなかで結果が残せなくて、悔しい思いをした分、今年高校生最後のインターハイなので、メンバーに入れなかった人たちの分も絶対優勝しようという気持ちが強いです。チーム全員で気持ちを高めて、良い準備をして(準決勝)臨めるようにしたいと思います」
 
 守備への自信は揺るぎないものになってきた。あとは攻撃でどれだけボールを握れるか。昨年の本大会準優勝の悔しさをバネに、日ノ本学園は6度目の頂点を狙う。
 
取材・文●手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)

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