ハードワークを惜しまず2ゴールの大活躍!その裏で神村学園FW寺田聡が交わした先輩との約束

2019年07月26日 手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)

「良い報告ができるように…」

前線でボールを追い続けた寺田。チームを初戦突破に導く貴重な2ゴールを決めた。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 真夏の沖縄で、ついにインターハイ(全国高校総体)の幕が上がった。7月26日の1回戦で、3年連続6回目の出場となった鹿児島代表の神村学園は、國學院久我山(東京)と対戦した。
 
 國學院久我山の華麗なパスワークに苦戦し、先制点を許してしまった神村学園だったが、ボールを奪えば素早く敵陣のスペースを突き、的確に繋ぐサッカーで決定機を何度も創出。2年生FW寺田聡が立て続けに2ゴールを決めて逆転すると、51分にもペナルティエリア内で細かくボールを回し、最後はMF樋渡鯉太郎が決めて突き放した。その後、國學院久我山に1点を返されたものの3-2で神村学園が勝ち切り、2回戦へ駒を進めた。
 
 貴重な2得点を決めてチームの勝利に貢献した寺田は、一学年上の先輩と大会前にしたある約束を明かしてくれた。その先輩とはFW若松勇斗。インターハイ県予選前のプリンスリーグ九州で負傷し、今大会も無念のメンバー外となってしまった。
 
「若松さんに"点を取ってきます!"と言ってきたので、自分自身しっかりと結果を残して、良い報告ができるようにと思って試合に臨みました」
 
 会場となった金武町フットボールセンターがある沖縄県国頭郡の気温は32度。強い日差しが加わると、体感温度はさらに高くなる。そんな暑さのなかでも前線でハードワークを惜しまず先輩の分まで走り切った。
 
「一番沖縄に近いのが鹿児島なので、暑さでは負けないということを全員と話し合って、前からのプレスもしっかりと狙いどころを決めてやった。しっかりと走り抜くことができて良かったです」
 
 次戦の相手は地元沖縄の西原。2回戦以降も寺田の献身的な姿勢は変わらない。
 
「結果を残すのも大事ですけど、しっかりと前線で身体を張って、チームの勝利に貢献できるようにしたいです。あわよくば点を取りに行きたいと思います」
 
 神村学園は昨年、インターハイと選手権ともに初戦敗退だった。その鬱憤を晴らす2回戦進出。仲間の想いを乗せ、過去最高のベスト4超えを狙う。
 
取材・文●手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)
 
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