チェルシーの新指揮官ランパード、“脱・サッリ宣言”! 来日会見で新チームへの理想を語る「後ろを振り返るつもりはない」

2019年07月16日 羽澄凜太郎(サッカーダイジェストWeb)

川崎戦へは「重要なチャレンジになる」と意気込み

記者会見に臨んだランパード。その表情は、現役時代と変わらず引き締まっていた。 写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 この夏、日本でプレシーズンを過ごすロンドンの"青き精鋭"たちがついに来日した。

 7月16日、横浜市内でチェルシーのフランク・ランパード監督とクロアチア代表MFマテオ・コバチッチが、今週金曜日に対戦する川崎フロンターレの鬼木達監督と小林悠とともに公式会見に臨んだ。

 チェルシーの一員として来日するのは、クラブワールドカップに出場した7年ぶりだというランパードだ。前任のマウリツィオ・サッリ(現ユベントス)が退任したのを受け、チャンピオンシップ(英2部)のダービー・カウンティでの監督キャリアを断って、今月4日に電撃就任。ブルーズの言わずと知れたレジェンドは、「競争的な戦いになる」と語り、日本での試合に意気込みを見せた。

「私は選手の時も日本に来たが、とても温かい歓迎を受けたし、良い思い出がある。週末の試合は、素晴らしいチームとの競争的な戦いになると思う。我々にとってはシーズンの開幕に向けた重要な試合になる。チームは集まって1週間だが、この段階で日本のリーグ王者と戦うことは、我々にとって必要なチャレンジになる。プレミアリーグにはあらゆるタイプのチームがあり、異なったタイプのチームと試合をすることは重要だと認識している」

 また、2003年にロマン・アブラモビッチ氏(現オーナー)がクラブを買収してから初のイングランド人監督となったランパードは、その手腕に託された重責も覚悟のうえだ。国際サッカー連盟(FIFA)による今夏の補強禁止処分(※控訴結果によっては今冬も禁止)を受けたチームは、大黒柱のエデン・アザールがレアル・マドリーに移籍したことで、このプレシーズンは代役探しが急務となっている。

 始動から1週間足らずのランパードは、自身が掲げる理想を口にした。

「まず、私はサッリのチェルシーの試合を数多く見た。良いシーズンだったと思っている。しかし、私は後ろを振り返るつもりはない。自分には自分のやり方がある。チェルシーというクラブも選手のこともよく知っているし、この1週間の選手の質や態度には満足している。

 私が求めるのはエネルギッシュでスピード感に満ち溢れたプレーだ。ボールを奪われたら素早く取り戻し、ボールを持っている時は早く攻めるスタイルだ。そして、勝つために試合をするということも重要だ。それを取り戻し、みんなの大好きなフットボールをやりたいと思っている。これ以上補強できないのは分かっているし、今いるメンバーでしっかりと戦いたい」

 補強禁止という問題に対してもランパードは、「ストレスを感じなくても済むというのは、ある意味で幸せなことかもしれない」と意に介する様子はない。

 そんなレジェンドを迎え入れて、新たな船出を切るチェルシー。金曜日の川崎戦は、来る新シーズンに向けて、どのようなチームになるのかが、見極められそうだ。

取材・文●羽澄凜太郎(サッカーダイジェストWeb編集部)
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