多摩川クラシコで完敗を喫したFC東京。どこでプランが狂った?

2019年07月14日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

一致した林と森重の見解

多摩川クラシコで完敗。FC東京はここから這い上がれるか。写真:サッカーダイジェスト

 今季のFC東京が、完膚なきまでにやられた試合は今回の多摩川クラシコが初めてだ。前線からのプレスが上手くハマらず、20分にコーナーキックから小林にヘッドで叩き込まれて失点すると、その後も流れを掴めず、54分に齋藤、69分には阿部にゴールを決められた。
 
 内容的にもここまで圧倒されたのは今季初めてで、あそこまでFC東京の守備陣が崩されたシーンもこれまた今季初めてだった。FC東京の長谷川監督は「川崎のプラン通りに進んで、そのまま終わってしまった」とコメントしていたが、こうした流れになった最大のポイントはどこにあったのか。
 
 その答として、GKの林とCBの森重が挙げたのは同じ局面だった。
 
 林は言う。
 
「セットプレーで先制されたのが僕らとしては痛かった。あれだけ(小林にヘッドで)叩きつけられる場面を作らせてしまったことは僕らのミス。点を取られなければ焦れずにいけたかもしれないですが、セットプレーだったりとか、そういうところで綻びが出てしまったのかなと」
 
 森重も、あの先制点で流れを失ってしまったとコメントしている。
 
「セットプレーから失点して相手の流れになってしまった。あそこで1本取れられたことで相手は余裕ができた。その後の試合展開を見ても、それはあらわれていたと思います」
 
 先制されたFC東京は川崎のパスワークを封じることができず、D・オリヴェイラや永井も守備に追われた結果、このふたりのスピードを生かしたカウンターを仕掛けられなかった。リスクを冒して前に出ようとした後半も、かえって川崎にスペースを与えてしまって守備網を引き裂かれ、失点を重ねるという悪循環に陥ってしまったのだ。
 
 首位をキープしているとはいえ、2位の横浜との勝点差は「3」。そうしたシチュエーションで、FC東京は今回の敗戦のショックを払拭できるか。再浮上へのきっかけを掴む意味で、次節の清水戦(アウェー)はひとつのターニングポイントになるだろう。
 
取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)

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