【アギーレジャパンのSB考察】決め手に欠ける定位置争い

2014年11月10日 週刊サッカーダイジェスト編集部

不動と呼べる存在が見当たらないSBのレギュラー争い。

右SBの一番手と目された内田を10月まで招集できなかったのは、アギーレ監督にとって誤算だったはずだ。 (C) SOCCER DIGEST

 内田篤人と長友佑都が長らく不動の地位を築くなど無風状態に近かったアルベルト・ザッケローニ体制とは打って変わり、アギーレジャパンでは、今のところ左右のSBに絶対的な柱が見当たらない。新政権発足から3か月足らずで、こなした試合は4つしかないのだから、軸が定まらないのは当然との見方もあるだろう。
 
 なにより、9、10月は右SBの一番手と目された内田が未招集だったのだ。手元で見たい選手を全員呼べていないから、定めたいものも定まらないというのが、ハビエル・アギーレ監督の本音かもしれない。
 
 ただ、9、10月に招集された6人のSBがいずれも決め手に欠ける事実は、看過できないだろう。実績十分で現政権下でもコアメンバーのひとりと見られた長友は、直近のブラジル戦でスタメン落ち。左足のふくらはぎを傷めていたとも言われるが、いずれにしても、ジャマイカ戦での致命的なパスミスを境に足元が少しぐらついてきた印象もある。
 
 実際、長友が良い意味で存在感を示したのは、本田圭佑と香川真司が揃って左サイド寄りでプレーしたジャマイカ戦(10月10日)での30分間程度(59分から88分)。それ以外の時間帯、試合ではサポートに恵まれず、ドリブルでつっかけても敵の守備網に大抵引っかかっていた。突破に限らずクロスにもキレがなく、ここまでチャンスにほとんど絡めていない。
 
 チャンスに関与した数なら、長友に代わりブラジル戦(10月14日)で先発した太田宏介のほうが多い。左利きの強みを活かし、途中出場したジャマイカ戦でもゴールに結びつきそうなクロスを上げているが、一方で守備の連係はいまひとつだった。ブラジルに4失点した責任はポジショニングがやや曖昧だった彼にもあるはずで、その意味でレギュラーとしてはまだ力不足だろう。左SBの序列で言えば、長友よりも「少し下」という位置づけか。
 
■アギーレ体制下で招集されたSB

長友佑都(インテル/イタリア
週刊SDの平均採点:5.50
3試合(269分)・0得点
 
太田宏介(FC東京
週刊SDの平均採点:5.50
2試合(91分)・0得点
 
西 大伍(鹿島
週刊SDの平均採点:-
0試合(0分)・0得点
 
酒井高徳(シュツットガルト/ドイツ
週刊SDの平均採点:5.33
4試合(273分)・0得点
 
酒井宏樹(ハノーファー/ドイツ
週刊SDの平均採点:5.00
1試合(87分)・0得点
 
松原 健(新潟
週刊SDの平均採点:-
0試合(0分)・0得点
 

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