「最大の功労者なのに…」財政難のマルセイユが酒井宏樹の売却を画策? FFP対策で主力の大量放出は不可避か

2019年07月05日 サッカーダイジェストWeb編集部

補強禁止処分を避けるために…

マルセイユで献身的な働きを披露し続けてきた酒井。この夏はその去就が注目されている。 (C) Getty Images

 南仏で活躍を続けるサムライ戦士の去就が注目を集めている。リーグ・アンの古豪マルセイユに所属する日本代表SBの酒井宏樹だ。

 現在29歳の酒井は、2016年6月にドイツ・ブンデスリーガのハノーファーからマルセイユに加入して以降、両サイドでSBとして起用されるなど重用されてきた。2018-19シーズンもリーグ・アンで5位に甘んじてピリッとしなかったチームにあって、公式戦32試合に出場して安定したパフォーマンスを披露し、ファンの選ぶ年間MVPに選出されている。

 マルセイユとは21年6月までの契約を結んでいるが、先月にプレミアリーグの強豪トッテナムが獲得に興味を示していることが報じられるなど、その去就の行方が注目を浴びている。

 そんななか、現地時間7月4日、フランス・メディア『Mercato365』は、今夏の移籍市場で、マルセイユが酒井宏樹を含めた複数の主力を売却する意向であると報じた。

 記事によれば、現在7850万ユーロ(約98億1250万円)という莫大な赤字を抱えているマルセイユは、ファイナンシャル・フェアプレー(FFP)による補強禁止処分を避けるため、欧州サッカー連盟(UEFA)から提示された収益改善案を受託。収支のバランスを整える必要に迫られている。

 そのために、それなりの移籍金が見込める主力の放出は不可避なようだ。

 7月3日にアルゼンチン人MFのルーカス・オカンポスをセビージャへ1500万ユーロ(約18億7500万円)で売却したのに続き、マルセイユは、モルガン・サンソンを3000万ユーロ(約37億5000万円)、ブバカール・カマラを1800万ユーロ(約22億5000万円)、ケビン・ストロートマンを1200万ユーロ(約15億円)、ルイス・グスタボと酒井をともに800万ユーロ(約10億円)で放出し、現金化したいと画策していると『Mercato365』は伝えている。

 同じくマルセイユの補強について記事を掲載した地元紙『La Provence』は、「フロリアン・トバンやマクシム・ロペズといった主力に加え、クラブはヒロキの放出も計画している」とし、その可能性について次のように綴った。

「マルセイユのファンはオカンポスの退団も呑み込めていないが、彼らはもっと驚かされるかもしれない。なぜなら、フロントがヒロキ・サカイの放出も考えているからだ。昨シーズン最大の功労者であったサムライは退団リストに入っているようだ」

 今シーズンからポルトガル人監督のアンドレ・ビラス=ボアスを招聘したマルセイユは、今週木曜日からイングランドでのミニキャンプをスタートさせ、現地時間7日にはストークのU-23チームとの練習試合を予定している。

 新チームがスタートを切ったなかで主力の放出はどのように進んでいくのか。そして、酒井はマルセイユを離れ、一部で囁かれているようにトッテナムの一員となるのか。その動向から目が離せない。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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