6月の国際大会で躍動した若手有望株たち――久保建英に続くブレイクスルーが望まれる東京五輪世代のFWは?

2019年07月02日 サッカーダイジェストWeb編集部

国際大会で活躍を見せるも負傷により戦線離脱中の選手も…

東京五輪へ誰がFWに名乗りを上げるのか? 写真は、左端から時計回りに、小川航基、前田大然、上田綺世、旗手怜央、宮代大聖、中村敬斗。写真:サッカーダイジェスト

 久保建英が早々にJリーグから世界最高峰のクラブへと羽ばたいた今、国内に目を向けると東京五輪世代のアタッカーたちは、依然所属クラブでポジションを掴み切れていない選手が多い。しかし、大学生ながらコパ・アメリカのチリ戦で初先発した上田綺世を筆頭に、トゥーロン国際では小川航基が、U-20ワールドカップで宮代大聖が活躍。5月・6月の国際大会で活躍を見せた若手FWたちの所属クラブでの近未来を展望する。
 

――◆――◆――
 
 若手FWが所属クラブで置かれる立ち位置は、助っ人や経験豊富なベテランがいる影響もあって難しい。例えばポストプレーが光る宮代大聖(川崎)は、小林悠やレアンドロ・ダミアンと争うセンターフォワードのポジション争いが激しいため、今季はリーグ戦で出番がない。U-20ワールドカップでチーム最多の2得点を決めたが、まだまだアピールが必要だ。
 
 同様に、クラブでは思うように出場機会を得られていない磐田の小川航基は、トゥーロン国際大会のメキシコとの準決勝、ブラジルとの決勝で貴重な同点弾を決めた。良い流れを持ち込みたかったが、ブラジル戦の後半に左足を負傷し、全治3週間と離脱を余儀なくされた。
 
 U-20ワールドカップで鋭いドリブルを披露した横浜FCの斉藤光毅や、1得点・1アシストの働きを見せた田川亨介も大会での怪我によって戦線離脱中だ。まずは治療に専念し、1日でも早く復帰してチームの力になりたいところだ。
 
 一方、コパ・アメリカのチリ戦でA代表デビューを飾った松本の前田大然、トゥーロン国際大会で久々に日の丸を背負った金沢の小松蓮は、いずれも所属クラブで主軸を務める。小松は大会後の復帰初戦となった19節・新潟戦(〇2-1)でさっそく1得点。国際舞台での貴重な経験をいかに還元できるか。前田も、残留争いに苦しむチームの救世主として、これまで以上の貢献を示したい。
 
 レギュラー定着に大きく前進しているのが、G大阪の中村敬斗だろう。今季はほぼ、試合に絡めていなかったが、U-20ワールドカップでは頼れる切り札として奮闘。「ドリブルは通用すると分かった」と確かな手応えを掴んだ18歳は、帰国後の15節・磐田戦、続く湘南戦でも先発フル出場を果たす。持ち前の果敢な仕掛けでl攻撃に勢いをもたらしており、着実に評価を高めつつある。
 
 この中村のように、札幌の岩崎悠人もクラブでの序列を覆せるか。トゥーロン国際大会では全5試合中3試合でスタメン。6-1と大勝したグループステージ第2節のチリ戦では2ゴールと結果も残した。札幌ではコンスタントにベンチ入りしているが、まずは途中出場の回数を増やして、やはりゴールという目に見える形でアピールしたい。
 

次ページ有望な大学生の台頭も。Jリーグでの早期デビューもあるか

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事