「彼はファンを確実に金する」バルサ復帰が注目されるネイマール。その驚異的な経済効果をスペイン紙が紹介!

2019年07月01日 サッカーダイジェストWeb編集部

「復帰は戦略的なサインになる」

パリSGではピッチ内外でカリスマとして人気を博したネイマール。その力をバルサは引き戻そうとしているが……。 (C) Getty Images

 セレソンの至宝の動向が脚光を浴びている。

 パリ・サンジェルマンに所属するブラジル代表FWネイマールは、今夏の移籍市場で古巣バルセロナへの帰還を望んでいるとされている。スペイン紙『Marca』などで、「僕はここ(パリSG)でプレーしたくない。家に戻りたい」と本人が発言したことが取り上げられるなど、その去就は移籍マーケット解禁以降、日増しに注目度が高まっている。

 ただ、バルサにとっては小さくないリスクがある。2017年8月に史上最高額の2億2200万ユーロ(約272億円)を支払ってネイマールを獲得したパリSGは、売却に最低でも1億3000万ユーロ(約160億円)~1億5000万ユーロ(約184億円)を求めると報じられており、クラブの収支バランスに大きな影響を与える大金が必要とされている。

 さらに、あっさりとクラブを離れたネイマールに対して、バルサ内部で不信感を抱く首脳陣も少なくなく、一部で否定的な意見も噴出している。

 それでもバルサがネイマールの復帰を目指しているのは、彼のスポーツ面だけにとどまらないポテンシャルを見込んでいるからだ。『Marca』は、クラブの狙いを裏付けるものとして、ビジネスの専門家の見解を紹介している。

 同紙の取材に応じたインフルエンスマーケティングを取り扱うプライムタグ社のマヌエル・アルバカーキCEOは、フォロワー数が1億2100万人を超えているインスタグラムをはじめ、SNSで爆発的な発信力を持つネイマールの再加入によってバルサは、「商業面で大きな効果が得られる」と持論を展開した。
 
「批判の声が渦巻く中でバルサがネイマールを取り戻そうとしているのは、スポーツ面での貢献だけでなく、ブランド力やカリスマ的な力を狙っているからだ。契約を結ぶことになれば、それは戦略的なサインとなるだろう。

 有名アスリートとの契約はユニホームの売り上げ、入場チケットの売り上げ、スタジアムの訪問者数、放映権料、スポンサー料などに、もれなく関係してくる。さらに彼のようにソーシャル界で巨大な存在であれば、オンラインショップの売り上げにも貢献できる。

 彼のインスタグラムのステータスは、バルサブランドへも広げられる。バルセロナは自分たちのアナウンスを、彼のアカウントと直接つなげることができ、ビジネスの幅を拡大することができるんだ」

 アルバカーキ氏と同じく、ソーシャル界に精通しているSPSGコンサルティング社のカルレス・カントCEOも、ネイマールの電撃復帰がもたらす莫大な集金力について、こう語っている。

「彼の移籍は商業的に大きなインパクトを生じさせる。スポンサー、放映権、プレシーズンツアーにも影響を及ぼす。彼はSNSで多くのフォロワーを抱ええているが、何より重要なのは、そのファンを確実に金銭にしていく点だ。ネイマールのおかげで、バルサがファンの一人ひとりから1ユーロを払わせることを想像してみてくれ……」

 記事では、ネイマールを巡る交渉に関して、「バルサはパリSGの求める移籍金を支払うつもりはなく、獲得オペレーションは長期戦になりそうだ」と記しており、現時点でクラブ間の話し合いは行き詰っているようだ。

 果たして、ネイマールはバルサ復帰を叶えるのか――。27歳となった天才アタッカーの去就から目が離せない。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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