「もはやアジアの虎ではない」「蔚山は無気力と拙戦そのもの」韓国メディア、ACLでのKリーグ勢全滅にショックを隠せず

2019年06月27日 ピッチコミュニケーションズ

「Kリーグのプライドだった全北と蔚山が揃って16強の壁を越えられず」

初戦を落としていた浦和だったが、敵地で3点を奪ってベスト8進出を決めた。(C)Getty Images

 ACL16強戦の蔚山現代対浦和レッズ戦で起きた大逆転劇に、韓国メディアも衝撃を隠せない。「遠征では勝ったのに…蔚山、浦和との16強第2戦で0-3の衝撃敗戦」(『デイリースポーツ韓国』)、「無気力と拙戦そのものだった蔚山、浦和に0-3の大敗」(『OSEN』)などで、蔚山の戦いぶりに疑問を投げかける報道も多かった。
 
 例えば「衝撃脱落の蔚山、極端すぎる施錠が毒になった」としたのは『ベストイレブン』だ。「引き分けでも8強進出できる状況でキム・ドフン監督は内容よりも結果に重きを置き、守備サッカーのカードを選んだ。対して浦和は90分間、常に試合の主導権を握り、2度のチャンスをしっかり生かして8強チケットを手にした」と報道。『NEWSIS』も「蔚山現代、浦和の徹底した分析に手詰まり無策」と題して、蔚山の長所を消した大槻毅監督の手腕を評価し、「大槻監督は成績不振で退いたオリベイラ前監督の代打だ。が、甘く見れる人物ではない。日本では分析スペシャリストとして知られ、育成とデータ分析に関しては浦和の中でも第一人者に挙げられる人物だという。その彼の長所がそのまま反映されたわけだ」と報じた。
 

 その浦和の前に成す術なかった蔚山現代のキム・ドフン監督に焦点を当てたのは『スポーツソウル』だ。「浦和に衝撃負けの蔚山キム・ドフン監督『申し訳ない気持ちで顔を上げられない』」と題した記事の中で、蔚山が浦和に苦戦した原因をキム・ドフン監督の言葉で紹介している。『スポーツ・ワールド』も「蔚山が浦和に大敗した理由は結局、戦術履行の違い」と題した記事の中で、「蔚山が大敗した理由は簡単だ。蔚山は準備したことがまったくできず、浦和はそれ以上をやり遂げた」とバッサリと切り捨てた。
 
 この蔚山対浦和戦の結果もさることながら、同じく韓国で行なわれた全北現代対上海上港のACL16強・第2戦でも、アウェーでの第1戦を制したはずの全北現代がPK戦の末に敗れてしまったことで、韓国メディアはダブルショックを受けている。
 
「全北・蔚山が揃ってACL16強で脱落…Kリーグ勢全滅」(『スターニュース』)、「Kリーグの自尊心、全北・蔚山、ACL16強脱落の衝撃」(『NEWSIS』、「亡身(恥辱や汚名を受けるという意味)さらしたKリーグ」(『韓国日報』)などで、『インターフットボール』は「Kリーグの"黒い水曜日"」と題して、「想像したくなかったことが起きた。Kリーグのプライドだった全北と蔚山が揃って16強の壁を越えられず、8強進出チームをひとつも輩出できない苦味を味わうことになった」と、その深刻さを伝えた。

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