ミランがEL出場を“辞退”しトリノが繰り上げか? 一体なにが…

2019年06月19日 サッカーダイジェストWeb編集部

21年までの赤字解消は困難と判断か

EL出場を断念する可能性が報じられたミラン。リーグ戦に集中できるというメリットも?(C)Getty Images

 ジェンナーロ・ガットゥーゾ前監督の下で、ミランはセリエAを5位で終え、ヨーロッパリーグ(EL)出場権を獲得した。だが、2019-20シーズンのELの舞台にミランの姿はないかもしれない。

『Gazzetta dello Sport』紙や衛星放送『Sky Sport』などイタリア・メディアは6月18日、ファイナンシャルフェアプレー(FFP)違反の問題を抱えるミランが、収支是正の期限の延長を求め、代わりにEL出場を断念するかもしれないと報じた。

 ミランは昨年、2014年から17年までの収支に関して、欧州カップ戦からの除外という処分をUEFAから科された。だが、クラブはスポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴して勝訴。EL出場権を手にした。

 CASの裁定を受け、UEFAは21年までに赤字を解消することを命じ、ミランは再びCASに提訴。現在はその裁定を待っている状況だ。

 ただ、CASは8月までこの件に対応しない見込み。16年から18年分の決算に関しても、ミランをFFP違反で罰する予定のUEFAは、「21年までに赤字を解消させる」という処分に関するCASの裁定を待つ姿勢とみられている。

 報道によると、ミランは21年までの収支是正が難しいと自覚しているという。そこで、14年から17年分の処分と、16年から18年分の処分をひとつにまとめることをUEFAに望んでいるようだ。そしてEL不出場を受け入れ、その代わりに収支是正期限の1年延長(22年まで)を求めるという。

 
 ミランがEL出場を諦めれば、セリエAで6位だったローマはグループステージからの出場に繰り上げとなり、出場権がなかった7位トリノが予選3回戦から参戦できることになる。プレシーズン日程にも大きく影響するだけに、両クラブはUEFAに早期解決を求めたと取り沙汰されている。

 また、ELに出場しない場合、ミランはリーグ戦だけに集中できるため、就任内定とも言われるマルコ・ジャンパオロ監督にとって好都合との見方もある。

 UEFAとしても、CASの裁定を待つことなく、出場クラブを確定できる"メリット"もある。そのため、ミランとUEFAが紳士協定のような妥協案に落ち着くかが注目されている。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
 
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