【U-21代表インタビュー】鈴木武蔵「苦しい時に決められる本当のエースに」

2014年10月29日 週刊サッカーダイジェスト編集部

身体の使い方をもっと向上させていきたい。

ベスト8に終わったアジア大会を、エースとして戦った鈴木武蔵はどう振り返ったのか。 (C) SOCCER DIGEST

――日本代表対ジャマイカ代表戦は観ましたか?(取材は10月11日に実施)。
「はい。スタジアムに観に行きました。とりあえず、どっちも応援していましたね」
 
――どんなポイントに注目して、そこで新たに気付いたことは?
「体格の良い相手に対して、どういう身体の使い方をしているのか。上手く身体を入れられれば、フィジカルの強い相手に対しても、倒れずにボールを奪えるし、キープもできる。
そこは勉強になりました」
 
――そうした視点は、先のアジア大会での経験もベースにあった?
「そうですね。相手に重心というか、パワーをかけながらキープする。自分は前へのパワーはあると思うのですが、後ろに背負った時のパワーがない。その時の体重のかけ方や、相手の位置を把握してボールを失わないようにする身体の使い方を、もっと向上させていきたい」
 
――改めて、アジア大会ベスト8という結果を受けて率直な感想は?
「俺個人としても、みんなも本当に優勝したかったので、ベスト8で終わったのはすごく悔しいです」
 
――優勝できなかった要因として、まず思い浮かぶのは?
「絶対に勝ち切るという気持ちは、もちろんみんな持っていましたけど、自分も含め、それをもっとプレーに表わさないといけなかったと思います。あとは、日本らしさをもっと出せれば良かった。準々決勝の韓国戦(0-1)の後半は、相手のサッカーに合わせてしまった部分がありました。我慢する時間帯も大事ですけど、勇気を持ってつなげば、違った結果になったのではないかな、と」
 
――韓国戦の前に、「自分の力が試される」と言っていましたが、実際に戦ってみてどうでしたか?
「先ほども言った身体の使い方とか、1トップでもっと周りを使いながら、自分が前に出て行くとか、まだまだ力不足を感じましたね。俺が確実にボールを収めて、タメを作って、周りが押し上げられるようにキープできないと、あのゲームはキツかったと思います」
 
――大会を通じて、身体の使い方は相当に工夫していたように見えましたが、手応えもあったのでは?
「少しだけですけどね。まあ、大会を終えて、また考えながら、もっと上手く使えるようにしたいです」
 
――単純にボールを奪われないようにするのと、キープしながらシュートに持ち込むのでは、またやり方も違うのでしょうか?
「そういうところも練習から探っていかなければいけないと思っています。自分の筋肉や体幹のパワーを上手く出し切れれば、そう簡単には倒されないはず。その力は絶対に自分にはあると信じています」
 
――韓国戦後には、仕掛けの少なさにも言及していました。
「わりと数的不利な状況で、仕掛けても無理かな、とは感じていたんです。でも、そこでもっと気持ちを出して、果敢に仕掛けて、どんどんシュートを打ってもよかった。自分はFWだけど、ゴールを意識したプレーが少なかったですね」
 
――やはり、気持ちの部分は多分に影響していたように思います。韓国戦の後半も、たとえ押し込まれたとしても、チーム全体でもっと強気に、怖がらずにつなげれば……。
「その力は、絶対に日本のほうがある。自分たちの特長をさらに確立させて、モノにしていけたら、自信もつくし、一番の武器になると思っています。重要なのは、方向性がブレないこと。それだけに、いい経験になったとは思いますね」

次ページこれを経験したら、他のアウェーゲームは余裕をもって――。

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